平成25年度 研究成果報告会開催記録
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げてもらいたいのです。 まず、どのような形で評価を行ったかというところです。 1つは道路のネットワーク的な視点からの評価です。例えば走行速度がどう変わったのか、流入してくる交通量がどう変わったのか、ゾーン30の周辺にある幹線道路に影響はなかったか、そういった点からの評価です。 2つ目は道路利用者の評価です。道路利用者にとってちゃんと安全性が担保できる空間となっているか、注意がちゃんと喚起されているかといった評価です。この研究は中京大学心理学部の向井先生と共同で進めました。 3つ目は地域住民の評価です。住民の皆様がゾーン30に対してどのように評価されているか。 本日は3つ目の地域住民から見た評価結果を報告いたします。 8地域住民からみた評価調査の概要調査の概要1)対象:ゾーン30実施地区およびその周辺に住む市民2)配布・回収方法:ポスティング配布・郵送回収3)調査票配布日:2012/11/194)回収率25.8%(1,305票配布、337票回収)5)調査項目①ゾーン30の認知状況②ゾーン30対策に対する評価(全体・個別対策)③ゾーン30対策について積極的に進めるべきか否か、個人としてどのように対策実施に関与していきたいか分析は年齢による評価の違いの視点から実施高齢:65歳以上、中年:30~64歳、若年:29歳以下ゾーン30意識調査票配布範囲 調査はゾーン30の中にお住まいの皆様とその周辺にお住まいの皆様にご協力いただきました。 時期はゾーン30が実施された約2カ月後の11月後半です。導入されたことをほぼ知っているのではなかろうかというもくろみで行ったわけです。 調査項目は、①ゾーン30の認知状況、②ゾーン30に対する評価、③ゾーン30対策について今後も積極的に進めるべきか否か、さらには、個人としてどのように対策の実施に関与していきたいか、といったところです。 さまざまな視点で分析をしていますが、本日は特に年齢による評価の違いについてご紹介いたします。これから高齢化社会を迎えていく中で、特に高齢者の皆様がこのような対策をどのように評価されているのかというところは大事な着眼点だと考えたからです。 9ゾーン30の認知状況 まず、ゾーン30の認知状況を整理した結果です。上が高齢の方(65歳以上)、真ん中が中年の方(30歳から64歳)、下が若年の方(29歳以下)です。ゾーン30が導入されて約2カ月後、その地域にお住まいの方であれば一度は通っていると思われるにもかかわらず、「知っていた」と回答された方は半数程度にとどまっています。 10ゾーン30整備による地域の安全性 次に、ゾーン30整備による地域の安全性についてです。ゾーン30が整備されたことによって皆様の地域は安全になりましたかという質問に対して、「よくなったと思う」「どちらともいえない」「悪くなったと思う」「わからない」から選択していただいたところ、「どちらともいえない」「わからない」という回答が大半を占めています。先ほどの認知状況の結果にもありましたように、そもそもゾーン30自体を認知していないため、このような結果となったのではないかと考えられます。ただ、高齢の― 28 ―
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