平成25年度 研究成果報告会開催記録
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システムについて紹介します。車両先端のグリル内側に搭載している電波レーダーとフロントガラス内側に搭載しているステレオカメラにより歩行者を見つけ、衝突の危険に合わせて、警報、ブレーキアシスト、自動ブレーキを用いて、衝突を回避したり衝突速度を下げて事故を防止します。ビデオをご覧下さい。<ビデオ割愛> Integrated Safety(G)時間非作動時作動時圧力センサーシステムアクチュエーターポップアップフードポップアップフード圧力センサーバンパー圧力チャンバー衝突時の歩行者保護対策:ポップアップフード頭部への衝撃次に最近実用化したポップアップフードについて説明します。ポップアップフードは、頭部に大きな傷害を受けて死亡するケースが多いことに注目し、それを防ぐため、バンパーに搭載した圧力センサーで歩行者との衝突を検出し、それにあわせてボンネットを持ち上げ、歩行者の頭部にかかる衝撃を減らす技術です。 ここまでは歩行中の高齢者の方が事故に遭わないようにする技術や、残念ながら事故に遭ってもより傷害程度を軽減させる技術の紹介でした。ここからは、高齢ドラバーの引き起こす事故を減らす取り組みについて説明します。 Integrated Safety今後、高齢ドライバーは急激に増加する。高齢ドライバー数の推移高齢ドライバー数の推移高齢ドライバー起因の交通事故は増加。02000040000600008000010000012000020022004200620082010201265歳以上の高齢ドライバーが第一当事者となった事故件数65歳以上の高齢ドライバーが第一当事者となった事故件数(件数)2000警察庁交通局「平成24年中の交通事故の発生状況」高齢ドライバー対策高齢ドライバー対策のの必要性必要性左側のグラフは高齢ドライバー数の推移です。高齢化社会が進む中で、高齢ドライバーが過去に例のない速度で増えていきます。また、高齢ドライバーが第一当事者、つまり、事故を起こす側になった割合は増加傾向にあり、高齢ドライバーの引き起こす事故を減らすことが重要であることが分かります。 Integrated Safety高齢ドライバー対策高齢ドライバー対策のの必要性必要性第一当事者になる割合(年齢別)第一当事者になる割合(年齢別)若年ドライバーと高齢ドライバーは第一当事者になる割合が高い。(ITARDAインフォメーションNo.68より)死亡事故を起こす確率(年齢別)死亡事故を起こす確率(年齢別)高齢ドライバーの事故は死亡事故に繋がり易い。これは横軸が年齢で、縦軸が交通事故を起こした方の割合です。若者も交通事故を引き起こす第一当事者になる割合が多いですが、高齢者も高くなっています。高齢ドライバーは長い間の運転経験を積んでいますので、本来は安全に思いますが、身体的な衰えから、第一当事者、交通事故を起こす側に回ってしまう割合が高くなっていると考えられます。 右側は起こした事故が死亡事故につながる割合です。高齢ドライバーが引き起こした事故は死亡事故に至るケースが多くなっていることが分かります。 Integrated Safety加齢による有効視野の変化加齢による有効視野の変化高齢ドライバーに多い安全不確認とその原因20406080(才代)6050403020100有効視野角度(°)(太田、2008)有効視野:周辺の交通状況に気づく範囲(狭いと,安全確認しにくい)中高齢者の自動車事故に直接影響するのは有効視野(Owsley,1994)60歳代の機能水準の例(対30歳)出典:自動車の人間工学技術(自技会)0255075100視力/最小可読閾動体視力/150d/sグレア感度/BCD視野有効視野焦点調節薄明順応聴力記憶(再生)推論反応速度/選択握力関節可動域平衡感覚機能の相対値(%)認知判断操作これは横軸に年齢、縦軸に視野角を示したグラフです。有効視野が年齢とともに狭くなっていて、交通環境の変化に気づきにくいといったことが起きていると考えられます。また、右側は、30 歳を100% ― 7 ―

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