平成25年度 研究成果報告会開催記録
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す。平成10 年から平成23 年の間に16 歳から26 歳の死者数の割合は半減していますが、65 歳以上の割合は減少しておらず、今後、高齢化が進む中で、高齢者の方々の亡くなられる数を減らしていくことが重要となります。 次に、状態別死者数の割合では、平成14 年頃は自動車乗車中の死者が最も多かったのですが、現在は歩行中の割合が最も多くなっており、歩行者を救うことが大変重要だということが分かります。 歩行中に亡くなられる方の年齢別割合では、65 歳以上の方が67%と圧倒的に多くなっており、高齢歩行者への対策が重要であることが分かります。 Integrated Safety高齢者夜昼自動車abcdfhgeDEFCAB交差点単路死者数(人)(出展:ITARDAインフォメーションNo.53)横断78.8%併進21.2%高齢高齢歩行者死亡事故の特徴歩行者死亡事故の特徴昼夜別、場所及び進行方向(H11-15年データ)昼夜別、場所及び進行方向(H11-15年データ)死者数は、夜間、横断歩行者が多く、交差点・単路ともに夜間では、右からの横断が多くなっている。昼36.3%夜63.7% 次に、高齢の方々が歩行中にどういった形で亡くなったのかをもう少し詳しく調べてみたのがこちらです。夜間に事故に遭われている方が63%以上です。夜間の道路横断中、特に車の進行方向に対して右からの横断のときが多くなっています。 その対策として一部実用化が進んでいる技術について紹介したいと思います。 Integrated Safety歩行者事故対策:オートマチックハイビーム夜の歩行者を発見しやすいよう、通常ハイビームで走行し視認性を向上歩行者歩行者ロービームロービーム オートマチックハイビームという商品化が進んできているライティング技術について紹介します。 オートマチックハイビームは、車のフロントガラスの内側に取り付けられた光学的センサーで対向車、先行車の存在を検出して、その部分だけまぶしくないようにして、あとの部分をハイビーム相当に照らすことで歩行者をより発見しやすくするものです。この技術によって右側からの横断者を発見しやすくしています。 Integrated Safety歩行者事故対策:ナイトビュー夜の歩行者を発見しやすいよう、近赤外線カメラで撮影し、ディスプレイに表示します。肉眼では見えにくいものを可視化します。これはナイトビューという技術です。人の目には直接見えない近赤外線のライトを照らして、夜間見えにくい歩行者や前方の状況を近赤外線カメラで撮像し、その様子をドライバーに見せると同時に、危険だと思われる歩行者を見つけたときには、ここに歩行者がいますと強調表示をすることで注意喚起を行います。 これがメータークラスターの中の映像で、ドライバーに提供しています。注意が必要な歩行者に対してはこのような強調表示をします。これによって、より早く発見することができます。 Integrated Safety歩行者事故対策:プリクラッシュセーフティシステム(PCS)プリクラッシュブレーキアシスト(PBA)待機プリクラッシュブレーキ(PB)時速40km から歩行者衝突を回避するPCS 時速40km から歩行者衝突を回避するPCS 歩行者衝突回避プリクラッシュセーフティシステム歩行者衝突回避プリクラッシュセーフティシステムBBAA歩行者経過時間AABB衝突の可能性高衝突不可避衝突警報衝突の可能性あり歩行者歩行者近赤外線照射器近赤外線照射器ステレオカメラステレオカメラミリ波レーダーミリ波レーダー※※※天候や道路環境により、必要な性能がでないことがあります次に歩行者事故にも対応しているプリクラッシュ― 6 ―

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