平成23年度 研究成果報告会開催記録
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原年幸 (トヨタ自動車 IT・ITS企画部 企画室長) ご紹介ありがとうございました。トヨタ自動車のIT・ITS企画部の原と申します。 本日は都交研さんの研究発表会にお招きいただき、また、こうした大変貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。 これから、豊田市における低炭素社会システム実証の取り組みにつきまして、お話をさせていただきます。 折りしも、ちょうど本日から全国的な節電活動が本格的に始まり、市長さんや進行の方からもお話がありましたように、私ども自動車業界も木金休み・土日稼働をスタートいたしました。エネルギー問題への関心が大変高まる中で、皆さんのご期待に沿えるお話ができるかどうか心許ないのですが、休日返上で参上したところに免じていただき、短い時間、雑ぱくなご報告になろうかと思いますが、よろしくおつきあいをいただくようお願いいたします。 本題に入ります前に、私が所属していますIT・ITS企画部について少しご紹介させていただきます。 私どもIT・ITS企画部は、持続可能なモビリティと低炭素社会の実現を、情報通信技術を活用して目指していくことをミッションとしています。 もともとは、いわゆるITSの世界といいますか、インフラ協調システム等の高度道路交通システムの開発と実用化によって、交通事故や渋滞といった 車の負の部分をいかにゼロに近づけていくかとい うことが取り組みの中心でした。昨今では、環境エネルギー問題の高まりを受けまして、いわゆるスマートコミュニティの分野にまで領域を拡大して活動しています。そうした関係で、本日も私が豊田市実証への取り組みをお話しさせていただくことになったわけです。 初めに、私どもトヨタ自動車の次世代環境車に対する取り組み、考え方についてお話し申し上げます。 まず、車を取り巻く環境です。 このグラフは、石油の埋蔵量と生産量をそれぞれ棒グラフと折れ線グラフで示したものです。一言でいいますと、いずれ石油は、経済的な意味合いも含めまして、枯渇するということです。 私たちカーメーカーにとっては、第一に、この貴重な石油をいかに大切に使うかということが重要になります。従来型の車も含めた燃費の画期的向上に取り組んでいかなければなりません。次に、石油に代わる自動車に適した燃料は何か、あるいは、その燃料で問題なく走行できる車はどういうものか、これらについて日夜、研究開発を進めているところです。 2点目は、CO2の排出です。この図表もいろいろなところでご覧になられると思いますが、世界の各国各地域のセクター別のCO2排出量を示したものです。いずれの地域においても、実は運輸部門 よりも発電部門から排出されるCO2が圧倒的に多いことがご覧いただけるかと思います。 プロフィール 1985年 トヨタ自動車 入社 - 人事、総合企画、調達などを経験 - ‘90年代半ばには長期経営ビジョン策定チームに参画し、ITS事業への取組み等を提案 2011年より現職 4
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