平成23年度 研究成果報告会開催記録
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ってきています。 ただ、実験期間中は、ある程度の成果が出せても、その後、どうしても続かないという結果も出ています。人の意識の転換が必要かなと思っています。 3つの事例紹介のうちのC事業所、駐車場不足のため、駐車場の配備基準を変えたという事例ですが、実は豊田市役所です。 この取り組みをする前に、駐車場が配置されない 人を対象に今後の交通手段をどうするかというアンケート調査を行ったところ、45%の職員は公共交通機関に乗り換える、残り55%の職員は自分でまた他の駐車場を探す、こういった結果が出ました。55%の職員はやはり車通勤をするということです。 車通勤をする主な理由は3つです。1つは、好きな時間に通勤・帰宅ができる。2つ目、荷物等があって、どうしても車で通勤する必要がある。3つ目が、帰りに寄り道がしたい。この3つが車に頼る要因でした。 ただ、考えてみますと、好きな時間に通勤・帰宅という理由はともかく、荷物、寄り道、そういったことは果たして毎日の話なのか、車に頼る理由としては乏しいのではないかと私自身は感じます。やはり車に依存し過ぎといった理由が一番大きいのかなと思います。 豊田市は自動車産業で発展してきたまちですし、昭和30年代後半から、合併により市域が拡大してきていますので、そういったことがエコ通勤が進まない要因の1つかとは思いますが、やはり市民、各事業所のエコに対する意識がまだ低いかなと思われます。 発表の中でも紹介されたように、いろいろなPR施策をとっていただいていますが、「産業フェスタ」でのアンケートの結果によると、エコ通勤の内容を知らない方が半分以上だったということです。これだけPRに取り組んでいても、エコ通勤についてご存じない方が多いようです。新しいPR手法の導入や新たな取り組みの中で、ますますエコ通勤が広がっていくことを期待しています。 最後に、加知研究員の報告についてです。 現在、豊田市が取り組んでいます「多核ネットワーク都市型構造の確立」と「緑に包まれた一体的な市街地の形成」に向けて、土地利用や交通に関する計画を予定どおりに進めていくためには、いろいろなシミュレーションを活用して、検証していくことが必要ですといった提言をいただいたのかなと感じました。 土地利用と交通の相互作用を、社会、環境、経済 といった視点から新しく分析して評価されるとのことですので、今後の事業計画の進め方の検討にあたりましては、不確定な要素を含めたシミュレーションを行った後、どういった結果が出るか、楽しみにさせていただきたいと思います。 以上、とりとめのない私の意見という形になってしまいましたが、私からの講評とさせていただきます。 最後に、豊田市ではいろいろな交通問題等に取り組んでいますが、皆さんの協力があって、そういったものがますます進むと思いますので、今後ともご協力をお願いします。ありがとうございました。 43

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