平成23年度 研究成果報告会開催記録
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- - 2415モデルでの分析結果をどう評価するかモデルでの分析結果をどう評価するか既存計画の実施効果を、計画に掲げられている目標達成とトリプルボトムラインの観点から確認する。また、目標が達成されないとしたらその原因は何か、追加的に必要な施策は何か、など。効果既存計画の実施を時間軸上に整理したときに、各計画の実施スケジュールが目標年次までに達成可能なものになっているか、など。時間的整合性既存計画に示されている立地に関連する政策(公営住宅整備など)と交通に関する政策(公共交通整備など)が同時に実施されたときに、居住地の移転や交通手段選択の変更が、既存計画の目標通りに行われるのか。また、行われないとしたらその原因は何か、など。計画相互の整合性既存計画の実施効果が、世代内および世代間で公平に配分されるのか。効果の公平性内容 これはモデルの分析結果をどう評価するかを書いたものです。4つの視点があります。 1つ目は効果です。施策を行ったとき、期待しているような効果が出るのかどうか。 2つ目は、効果の公平性です。公平性の視点は2つあると考えています。1つは、豊田市のように市域がかなり広く、都市的なところ、郊外、山間地といろいろな地区がある場合、そういった地区間の公平性です。もう1つは、高齢者と若い人など、世代間の公平性です。 3つ目は、計画相互の整合性です。 4つ目は、時間的整合性です。計画どおりに事業が進むのかどうかということです。 1616土地利用・交通モデルによる検討枠組土地利用・交通モデル土地利用・交通モデルによる検討枠組による検討枠組《土地利用モデル》・居住地の空間分布・仕事場の空間分布、など《交通モデル》・地区間の手段別交通量・地区間の移動時間、など地区間移動時間など既存計画に示されている各種施策(都市計画、交通計画など)トリプルボトムライン(経済・社会・環境)での評価土地利用・交通モデル内で決定される変数居住地・仕事場などの空間分布フィードバック これは土地利用・交通モデルによる検討の枠組みを簡単に示したものです。まず、既存計画に示されている各種施策があります。それを土地利用・交通モデルの中に入力して、土地利用・交通モデルによってシミュレートします。シミュレートした結果に 対して、先ほどのトリプルボトムラインという視点 で評価して、それをフィードバックしていくという流れです。 17検討に用いるモデル選定条件検討に用いるモデル選定条件①信頼性–実際の施策検討への適用事例があり、信頼性の高いこと。②分析結果の分かりやすさ–政策立案者に対してより説得力があり、理解しやすいこと。–グラフ作成する視覚化ツールがあること。③豊田市への適用可能性–豊田市の既存計画を分析できること。–理論モデルだけでなく、それを計算可能なプログラム又はパッケージ化されたものであること。–必要なデータを準備すればモデルを再推定できること。–モデルの構造や計算過程が確認できること。 次に検討に用いるモデルの選定条件についてお話しします。選定条件は3つ挙げてあります。 1つ目は、信頼性です。実際の施策検討などに適用されていて、信頼性が高いこと。 2つ目は、分析結果の分かりやすさ。政策立案者に対して説得力があり、理解しやすいこと。あと、グラフ作成するなどの視覚化ツールがあること。 3つ目は、豊田市に適用できること。豊田市の既存計画を分析できること、理論モデルだけではなく、それを計算可能なプログラム、または、パッケージ化されたものがあるといったことです。 18検討に用いる土地利用モデルの概要検討に用いる土地利用モデルの概要•UrbanSim(マイクロシミュレーション型モデル)•ワシントン大学の研究グループが開発•オープンソース(誰でも利用可)、修正可UrbanSimのユーザインターフェース 先ほどの条件に照らし合わせて既存の土地利用・交通モデルを検討した結果、選んだのが、ここに書いてあるUrbanSimというマイクロシミュレーション型の土地利用モデルです。これはワシントン大学の研究グループがつくったもので、オープン ソース、誰でも入手して使え、必要に応じて微修正 35

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