平成23年度 研究成果報告会開催記録
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5豊田市が目指す都市構造(1)豊田市が目指す都市構造(1)•多核ネットワーク型都市構造–各拠点へ地域特性に応じた都市機能を集約–拠点間を基幹交通(鉄道・基幹バスなど)でつなぐ•緑につつまれた一体的な市街地の形成–鉄道駅などの既存ストックを活用–選択と集中による都市基盤の整備を推進出典:豊田市都市計画マスタープラン概要版 この絵は豊田市が目指す都市構造を示したものです。 豊田市は平成17年4月、旧豊田市の周辺町村を含めて合併し、愛知県下で最も面積の大きい市になりました。旧町村が合併してできた市ですので、旧豊田市以外の町村にはそれぞれの人々が暮らしている核となる地域があります。豊田市では、それぞれの核を活かした「多核ネットワーク型都市構造」を目指しています。それは各拠点へ地域特性に応じた都市機能を集約し、拠点間を基幹交通(鉄道・基幹バスなど)で繋いでいくというものです。 もう1つは「緑に包まれた一体的な市街地の形成」です。鉄道駅などの既存ストックを活用し、選択と集中による都市基盤の整備を推進していこうというものです。 6豊田市の目指す都市構造(2)豊田市の目指す都市構造(2)出典:第7次豊田市総合計画、p.134 こちらの絵は、「多核ネットワーク型都市構造」の各拠点間を結ぶ公共交通のネットワークのイメージです。 豊田市では、総合計画の下、さまざまな下位計画 が相互に連携しながら、行政と市民の共働でまちづくりが進められていますが、我々が研究所としてどういったことができるのか、どういったサポートをしていけるのかを考えてみました。そこで出てきた問題意識がここに挙げてある5つです。 7問題意識問題意識①不確定な要因がある中で、計画通りに事業は進行できるか?–計画の前提条件となる将来人口、経済状況②総合計画の下位計画相互の連携をより高めるためには?–相互に影響する土地利用と交通の関係を定量的に分析することで、計画相互の連携をより高めるための方策を検討③環境モデル都市(低炭素型都市)を構築していく中で、住民の生活環境をより向上させるためには?–世代間や地域間でのニーズの違いを考慮したよりよい生活環境を検討④多核ネットワーク型都市構造の災害対応度をより高めるには?⑤自治体財政が厳しい状況下において、道路、上下水道などの社会資本(都市基盤)の維持費用面からより効率的な都市構造とは? 1つ目は、不確定な要因がある中で計画通りに事業を進行できるのか。ここでいっている不確定な要因というのは、計画の前提条件となる将来人口や経済規模です。 2つ目は、総合計画の下位計画相互の連携をより高めるためにはどうしたらよいか。現在でも計画は相互に連携して取り組まれていますが、さらによくするためにはどうしたらよいかということです。 3つ目は、環境モデル都市を構築していく中で、住民の生活環境をより向上させるためにはどうしたらいいか。環境と生活環境の両立です。 4つ目は、「多核ネットワーク型都市構造」の災害対応度をより高めるにはどういったことが追加的にできるか。 5つ目は、自治体財政が厳しい状況にある中で、道路や上下水道などの社会資本を維持していく費用面から見たときに、より効率的な都市構造はどういったものか。 32
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