平成23年度 研究成果報告会開催記録
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41.はじめに(なぜ「エコ通勤」か?)1.はじめに1.はじめに(なぜ「エコ通勤」か?)(なぜ「エコ通勤」か?)••豊田市のような「地方都市」における交通発生集中は朝夕の豊田市のような「地方都市」における交通発生集中は朝夕の通勤時間帯に大きなピーク。交通混雑は通勤時間帯に大きなピーク。交通混雑は短短時間に集中。時間に集中。••通勤交通のマイカー依存度は他目的よりも高い。通勤交通のマイカー依存度は他目的よりも高い。••通勤車両は「一人乗り」が圧倒的多数。通勤車両は「一人乗り」が圧倒的多数。(平均乗車人員:(平均乗車人員:1.061.06))••荷物があり、子ども連れ荷物があり、子ども連れで移動するで移動する買物や娯楽目的買物や娯楽目的トリップトリップにに対して「マイカー対して「マイカー依存依存からの脱却からの脱却」」を強いることはできない。を強いることはできない。14.0%8.1%0.0%2.0%4.0%6.0%8.0%10.0%12.0%14.0%16.0%34567891011121314151617181920212223012出勤登校帰宅業務自由71.6%57.9%14.2%17.4%6.6%9.2%1.3%0.4%7.9%13.6%0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%豊田市中京都市圏全体鉄道バス自動車二輪車徒歩83.1%66.4%11.3%5.4%15.5%6.3%0.3%1.5%5.9%4.5%0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%豊田市中京都市圏全体鉄道バス自動車二輪車徒歩(出典:第4回中京都市圏PT調査より)通勤目的全目的目的別に見た集中トリップの時間分布 当研究所では主に通勤交通を対象として取り組んでいますが、「なぜエコ通勤か?」という理由の1つは、豊田市のような地方都市における交通発生集中は、朝夕の時間、通勤時間帯に大きなピークがあるからです。豊田市だけではなく、いろいろな都市で見られることです。右側のグラフで分かるように、朝の6時、7時、8時あたりに非常にとがったピークを持っています。14%のピークがあると。これは第4回の中京都市圏パーソントリップ調査という、人の動きを細やかに記録していくような調査の結果を用いて集計した、交通の発生量、集中量を示したものです。 2つ目、通勤交通のマイカー依存度が他の目的よりも高いとあります。左側の帯グラフの上のグラフは全目的、すべての目的での移動、下が通勤目的、通勤を目的とした移動です。2本あって、上が豊田市、下が中京都市圏全体です。全目的で見ても、豊田市では自動車を使う割合が非常に高く、71.6%ありますが、これが通勤目的になると83.1%になってしまいます。 3つ目、効率的な面から見てみますと、通勤車両は一人乗りが圧倒的多数であること。平均乗車人員は1.06。これが全目的ですと1.2とか1.3ぐらいです。 4つ目、ここが大事ですが、荷物があって、かつ、子どもを連れている方々、家族で移動するような、買い物や娯楽目的のトリップ、交通に対して、マイカー依存からの脱却を強いることはできないためです。こういったことで、通勤交通を対象としてい ます。 52.「すすめる会」設立の背景と経緯2.「すすめる会」設立の背景と経緯2.「すすめる会」設立の背景と経緯••渋滞対策から始まった豊田市の「エコ通勤」渋滞対策から始まった豊田市の「エコ通勤」––朝夕ピークの渋滞問題(分散した大量トリップの時間集中)朝夕ピークの渋滞問題(分散した大量トリップの時間集中)––ソフト的な渋滞対策「ソフト的な渋滞対策「TDMTDM」にいち早く取り組んだ豊田市」にいち早く取り組んだ豊田市((H6H6~:社会実験、~:社会実験、H8H8:「:「TDMTDM勉強会(後に研究会)」設立)勉強会(後に研究会)」設立) 次に、「豊田市エコ通勤をすすめる会」という会を立ち上げて取り組んでいますが、その設立の背景と経緯をお話しいたします。 最初は渋滞対策でした。豊田市では、先ほどお見せしたような交通の特性に基づいて、渋滞がいろいろなところで発生していたわけです。ソフト的な渋滞対策TDM(Transportation Demand Management)、豊田市はこれにいち早く、私どもの研究所とともに取り組んでいます。 6豊田市TDM研究会の取り組み豊田市豊田市TDMTDM研究会の取り組み研究会の取り組み••H8H8~~1818年の年の1111年間に年間に2424回の会議を開催。回の会議を開催。••TDMTDMの勉強と社会実験実施の調整協議の場として機能。の勉強と社会実験実施の調整協議の場として機能。・「チャレンジECO通勤」取組みの継続(NEDO補助事業)(Webシステムの改良と一般開放。歩数計を配付し健康面での動機付け。事業所単位での参加を要請し、1,256名が登録)H18年度・TDM社会実験「チャレンジECO通勤」(愛知環状鉄道沿線4市においてWeb-TFP通勤交通MM実施。1,660名が参加。)H17年度・中心市街地・トヨタ本社地区通勤者によるTDM社会実験(約6,200人が参加し、11月18~22日の実験期間中マイカー通勤を控える。)H16年度・会員事業所の取り組み(通勤シャトルバスの運行;トヨタ自動車)・時差出勤の検討、「のりあいエコデー」の拡大検討H15年度・TDM勉強会をTDM研究会に名称変更・「TDMの日」を「のりあいエコデー」として、毎月第1、第3水曜日に拡大。H14年度・「TDMの日」の継続的な実施、商店街との連携(毎月第3水曜日にマイカー通勤を控えることを呼びかける)H12 ~13年度・他都市の先進事例(金沢市)の紹介(金沢市の市民団体代表による講演)・都心部事業所での「TDMの日」試行(2月)H11年度・具体的な施策メニューの提案と絞り込み→「公共交通機関利用の日」を検討H9 ~10年度・TDM勉強会設立・豊田市の交通と渋滞に関する市民アンケート調査の実施H8年度 平成8年にTDM勉強会、これは後にTDM研究会と改名しますが、そういう会を設立しまして、「のりあいエコデー」キャンペーンなど、車に頼りすぎない通勤を心がけようという運動を行っています。いろいろな社会実験も行っています。主に市あるいは国土交通省(当時は建設省)が実施する社会実験の調整の場のような形で運営していました。 24
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