平成23年度 研究成果報告会開催記録
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1021分析(場所の視点) 22場所の視点(分析方法)個人属性や運転時の性格によって速度抑制の受容性に差がある(性格等は教育等によって変わる可能性もあるものの簡単ではない)→どのような地域であれば、個人属性や性格によらず、受容性が高いのであろうか?→場所の全般的受容性に加え、個人の視点において差があった年齢と性格(攻撃的・依存的・違反容認傾向)別受容性の傾向をみる そこで、もう1つの視点として、どういう地域、どういう場所であれば、受容性が高くなるのか、さらに、どういった場所であれば、受容性に差が見られた個人属性(年齢)や運転時の性格(攻撃的・依存的・違反容認傾向)によらないで受容性が高くなるのかを見てみました。 23自動車の利便性を犠牲にしても走行速度を下げるべき生活道路はどこですか?(全体)11.522.533.54歩行者や自転車が多い商業店舗の集まる中心市街地近くの生活道路(n=619)通学路の多い幼稚園、保育園、小学校や中学校近くの生活道路(n=619)お年寄りが多い老人ホームやデイケアセンター近くの生活道路(n=620)住宅が密集する地域の生活道路(n=616)住宅がまばらな農村地域の生活道路(n=614)大型車の交通量が多い工場が集まる地域の生活道路(n=614)自動車の交通量が多い郊外のショッピングセンター近くの生活道路(n=615)体の弱い方の通行が多い病院の近くの生活道路(n=614)子供からお年寄りまでが集まる公園の近くの生活道路(n=617)地域や施設などに限らない、すべての生活道路(n=617)得点得点化:そう思う=4、どちらかといえばそう思う=3、どちらかといえばそう思わない=2、そう思わない=1 こちらが場所です。全部で10カ所です。「自動車の利便性を犠牲にしても走行速度を下げるべき生活道路はどこですか」という質問に対して、「そ う思う」から「そう思わない」まで、「そう思う」を4点、「そう思わない」を1点にして点数化し、平均点をここに示しています。平均点が4点に近ければ近いほど、「そう思う」と回答している人が多いことになります。 24場所と人の視点からみた受容性2.33.53.32.72.62.23.43.43.83.6受容性平均点**地域や施設などに限らない、すべて***子供からお年寄りまでが集まる公園の近く**体の弱い方の通行が多い病院の近く***自動車の交通量が多い郊外のショッピングセンター近く****大型車の交通量が多い工場が集まる地域*住宅がまばらな農村地域******住宅が密集する地域お年寄りが多い老人ホームやデイケアセンター近く***通学路の多い幼稚園、保育園、小学校や中学校近く**歩行者や自転車が多い商業店舗の集まる中心市街地近く違反容認傾向(強いと受容性低い)依存的傾向(強いと受容性低い)攻撃的傾向(強いと受容性低い)年齢(高齢受容性高い)【問】自動車の利便性を犠牲にしても走行速度を下げるべき生活道路はどこですか?受容性について、そう思う=4、どちらかといえばそう思う=3、どちらかといえばそう思わない=2、そう思わない=1で得点化significant difference **:1%、* :5% (Kruskal-Wallis test& Mann-Whitney's U test) ハッチをかけているところが他に比べて点数が高い(3点以上)ところです。最も高かったのは「通学路の多い幼稚園、保育園、小学校や中学校の近くの生活道路」で、車の速度の利便性を犠牲にしても速度を下げてもいいと感じていらっしゃる場所ということになります。反対に、「住宅がまばらな農村地域の生活道路」は最も低く、2.2点。別にそこまでしなくてもいいよと大抵の方が思っていらっしゃるという結果です。 点数の高いところは基本的に受容性が高いので、政策的にも推進しやすいと考えられますが、そういったところであっても、性格や個人属性によって差が出てしまうと、場合によっては受け入れづらい状況が生まれるかもしれません。そういった違いを右側の星印で示しています。例えば年齢ですと、年齢が高齢か非高齢かによって差が生じているということです。 「お年寄りが多い老人ホームやデイケアセンター近く」と「住宅が密集する地域」の受容性は3.4点と同じ点数を示していますが、星印を見ていきますと、後者は全部に付いていますが、前者は全く付いていません。後者の「住宅が密集する地域」は、他の地域に比べると、性格や年齢層によって差が生じやすい場所になっているということです。逆に、「お 21

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