平成23年度 研究成果報告会開催記録
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してしまうことが多い方はこういった傾向が強く出る。 因子5は違反容認傾向。10㎞/h程度のスピードオーバーであれば危険はないと感じているような人だと、こういったところが強く出てくる。 因子6は危険容認傾向。運転に危険はつきものであると思っている方に強く出てくる性格です。 16抽出された各性格因子の強さによる影響をみるため・・・それぞれの因子得点(個人ごとに各因子の傾向をどの程度持っているかを数値化したもの)の分布から以下のように割り振り平均値+標準偏差以上:傾向が強い平均値-標準偏差~平均値+標準偏差:傾向が中程度平均値-標準偏差以下:傾向が弱い運転時の性格の視点(分析方法)http://sisutsuku.com/loss-cut_of_system_trading/stop_of_standard_deviation.html傾向弱い傾向中程度傾向強い こういうふうに6つの性格が出てきましたが、それぞれの性格について強い方と弱い方がいらっしゃいます。各因子の強弱によって、速度抑制に対する受容性がどうなるか。先ほどと同じように統計的な検定を行った結果、その傾向が強いか弱いかで速度抑制に対する受容性があるかないかの差が出たのは3つの性格でした。1つが攻撃的傾向、2つ目が依存的傾向、3つ目が違反容認傾向です。 18攻撃的傾向の強さによる違い0%20%40%60%80%100%傾向弱い(n=89)傾向中程度(n=404)傾向強い(n=70)そう思うどちらかといえばそう思うどちらかといえばそう思わないそう思わないsignificant difference (significance level is 1%) (chi-square test )自動車の利便性を犠牲にしても生活道路の走行速度は抑制すべきですか? こちらは攻撃的傾向についての結果を示したものです。一番下が傾向が強い方、一番上が傾向が弱い方、それぞれ「自動車の利便性を犠牲にしても生 活道路の走行速度は抑制すべきか」について「そう 思う」から「そう思わない」までの比率を示してい ます。攻撃的傾向が強いと、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の比率がだんだん少なくなっているのが分かります。ですので、攻撃的な方は、車の利便性を犠牲にして生活道路の走行速度を抑制すべきではないというか、速度が高くてもいいじゃないかと思っていらっしゃると読み取れます。 19依存的傾向の強さによる違いsignificant difference (significance level is 5%) (chi-square test )0%20%40%60%80%100%傾向弱い(n=78)傾向中程度(n=376)傾向強い(n=109)そう思うどちらかといえばそう思うどちらかといえばそう思わないそう思わない自動車の利便性を犠牲にしても生活道路の走行速度は抑制すべきですか? 先ほど抽出した他の2つの性格もすべて同じ傾向が出ています。傾向が強ければ強いほど、受容性は低いということです。 20違反容認傾向の強さによる違いsignificant difference (significance level is 5%) (chi-square test )0%20%40%60%80%100%傾向弱い(n=80)傾向中程度(n=389)傾向強い(n=94)そう思うどちらかといえばそう思うどちらかといえばそう思わないそう思わない自動車の利便性を犠牲にしても生活道路の走行速度は抑制すべきですか? これらの結果から、個人属性や運転時の性格によって速度抑制の受容性に差があることがお分かりいただけたかと思いますが、例えば教育等を行って攻撃的な性格を直していくことはなかなか難しく、簡単ではありません。 20

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