平成23年度 研究成果報告会開催記録
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です。他の属性についてはこういった差がありません。 12既往研究※と同じ運転時の「行動」と「考え方」について22項目を調査し、因子分析を実施→運転時の性格を規定する6因子を抽出(既往研究※と同じ結果)運転時の性格の視点(分析方法)※自動車安全運転センター:ドライバーの運転意識とヒヤリ・ハット体験との関連に関する調査研究報告書、1995年 続きまして、もう1つの視点である運転時の性格について報告いたします。 性格につきましては、ここにお示ししています既往研究をベースに、運転時の行動と考え方について22項目の調査を行って、その結果を因子分析を使って見ています。 13因子2車両評価因子1運行サービス評価運行本数バス停の場所運賃車両の新しさ大きさ運行時間乗り心地聞くことがいっぱいだ・・・結果をどう判断したらいいかわからなくなる因子分析結果を集約してわかりやすくする!理想的なバス理想的なバス多変量により構成される要因を集約し潜在する構造を捉えるのに有用な分析手法※例:理想的なバスを知りたい・・・因子分析とは? 因子分析は、簡単に申し上げますと、多変量により構成される要因を集約して潜在する構造を捉えることができる分析手法です。 例えば、理想的なバスを知りたいとき、運賃、大きさなど、いろいろなことを聞かなければいけません。その結果から何かを見いだすのはすごく難しいのですが、因子分析をかけると、ある程度傾向を集約できます。右のように集約されると、分かりやすく説明できるというわけです。 14(参考)質問項目と分析結果(因子負荷量)0.110.400.290.140.200.3510km/h程度のスピードオーバーであれば危険はない0.510.020.150.010.040.07どんな運転者でも、事故になりかけてヒヤリとすることがよくあるものだ-0.030.480.120.140.320.23違反をすることと事故の発生には、あまり関係はない0.210.340.290.130.170.75前の車がもたもたしていると、腹がたつ0.000.490.280.330.310.68ほかの車に並ばれると先に出たくなる0.160.410.280.070.190.41運転中は歩行者や自転車を邪魔に思う0.090.340.220.230.260.65他の車に追い越されるのは、気分のいいものではない0.710.000.15-0.01-0.120.13運転に危険はつきものである-0.020.340.100.740.250.22運転は自分の生きがいの一つである-0.020.550.220.020.260.21事故をおこすのは運が悪いからだ0.040.080.01-0.530.03-0.07車は、単なる移動の手段にすぎない0.060.500.360.220.330.33車の運転で多少人に迷惑をかけるのはお互いさまだ0.050.180.170.750.080.23目的がなくとも、運転すること自体が楽しい0.050.300.410.180.130.65運転中にイライラすることが多い-0.060.09-0.18-0.040.12-0.29自分は感情の変化は少なく、いつでも冷静でいられる0.170.350.830.120.340.36運転中にぼんやりしてしまうことがある0.200.370.760.160.330.35脇見運転をすることがある-0.060.430.160.170.580.09他の車が道を譲ってくれるので、進路変更の時にあまり神経質になることはない0.000.280.260.050.700.14前の車についていけば安心して右左折できる-0.050.310.340.110.490.27一時停止の場所でも、見通しがよければ止まらないことが多い0.070.390.340.120.450.29駐車禁止でも、他の車の迷惑になりそうでなければ駐車する0.010.320.140.140.390.40割り込まれないように、あまり車間距離をあけないで走るようにしているF6F5F4F3F2F1変数 結果、ここにお示ししているように、6つの性格を規定するもの、これを因子と呼んでいますが、性格と捉えていただいて結構ですが、そういったものがとれたということです。ここで示している既往研究と全く同じ性格が抽出できています。 これが設問項目ですが、またお時間があるときにレジュメを見ていただければと思います。 15因子1:攻撃的傾向(前のクルマがもたもたしていると腹がたつ、など)因子2:依存的傾向(前の車についていけば安心して右左折できる、など)因子3:運転への価値傾斜傾向(目的がなくとも、運転すること自体が楽しい、など)因子4:漫然・脇見運転傾向(運転中にぼんやりしてしまうことがある、など)因子5:違反容認傾向(10km/h程度のスピードオーバーであれば危険はない、など)因子6:危険容認傾向(運転に危険はつきものである、など)運転時の性格の視点(抽出因子) こちらが運転時の性格の視点6つです。 因子1は攻撃的傾向という性格。前の車がもたもたしていると腹が立つというふうなところが強い人だと、こういったものが強く出てくる。 因子2は依存的傾向。前の車についていけば安心して右左折できると、前の車を信頼して走っているような方です。そういった方はこういったものが強くなる。 因子3は運転への価値傾斜傾向。目的がなくても運転することが楽しいという方はこういったところが強く出てきます。 因子4は漫然・脇見運転傾向。運転中にぼんやり 19
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