平成23年度 研究成果報告会開催記録
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8分析の視点1)個人属性の視点性別、年齢、運転頻度、同居家族→自動車の利便性を犠牲にしても生活道路の走行速度抑制をすべきか否かの意識について差をみる2)運転時の性格の視点・既往研究で成果が明らかになっている調査を実施 ここで注目したのは、個人の属性という視点と運転時の性格という視点です。 1つ目の属性の視点の項目は、性別、年齢、運転する頻度、同居家族です。運転される方が交通弱者と一緒にお住まいか、幼児の方と一緒に住んでいるか、お子さんがいるか、それによって速度抑制に対する受容性が変わってくるのではないかとの考えからです。 2つ目の運転時の性格という視点は、既にさまざまな研究があって、結構分かっていますので、そういったものをベースにして調査を行っています。 9自動車の利便性を犠牲にしても生活道路の走行速度は抑制すべきですか?(全体)そう思う(n=304)51%どちらかといえばそう思う(n=213)36%どちらかといえばそう思わない(n=42)7%そう思わない(n=39)6% 「自動車の利便性を犠牲にしても生活道路の走行速度は抑制すべきですか」という質問に対する結果がこちらの円グラフです。「そう思う」から「そう思わない」までの4段階で答えていただいていますが、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」が9 割を占めています。大半の方が車の利便性を犠牲にしても、生活道路では走行速度は抑制すべきだと感 じていらっしゃることが分かります。 10個人属性による速度抑制の受容性の違いを確認するためそれぞれの属性別の回答結果が統計的に差があるかどうかを検定(カイ二乗検定)個人属性別の結果<結果>性別=有意差なし年齢(高齢(65歳以上)・非高齢)=有意差有り運転頻度(6段階)=有意差なし(週5日以上、週3~4日、週1~2日、月3~4日、月1~2日、ほとんどしない)同居家族:幼児(5歳以下)との同居=有意差なし小学生との同居=有意差なし高齢者(65歳以上)との同居=有意差なし では、それが個人属性の視点から見て差があるのかどうかということです。性別については、男女で差があるか。年齢については65歳以上の高齢者とそれ以外の方。運転頻度については、週5日以上運転される方からほとんどしないまで6段階に分けています。同居家族については、幼児や小学生、高齢者の方と同居されているか否かという視点です。 客観的に見たいということで、統計的な検定を行った結果、属性間で差が出たのは年齢だけでした。他については全く差が出ていません。 11年齢による違いsignificant difference (significance level is 5%) (chi-square test )0%20%40%60%80%100%非高齢者(65歳未満)(n=471)高齢者(65歳以上)(n=89)そう思うどちらかといえばそう思うどちらかといえばそう思わないそう思わない自動車の利便性を犠牲にしても生活道路の走行速度は抑制すべきですか? 年齢による違いを示したのがこちらのグラフです。上の帯グラフが高齢でない方で、下の帯グラフが高齢の方です。「そう思う」から「そう思わない」までの比率をグラフ化しています。お分かりのように、高齢者の方のほうが、高齢でない方に比べて、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の比率が高くなっています。高齢の方は、高齢でない方に比べて、自動車の利便性を犠牲にしても生活道路の走行速度は抑制すべきだと感じているということ 18

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