平成23年度 研究成果報告会開催記録
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当研究所でも、特に生活道路の視点からまとめた研究を行っています。時間の関係で報告できませんが、報告書をまとめていますので、興味がありましたら、ぜひ当研究所までお問い合わせいただければと思います。 もう1つは、車側からのアプローチです。車の速度を車側から強引に下げる、あるいは、運転者にアドバイスをするやり方です。特に欧州で実道上の社会実験が行われていますが、我が国ではまだそのような社会実験にまで至っていません。今年度、私どもの研究所で基礎研究を始めていますので、今後報告できるかもしれません。 一方、実はここからが本題ですが、今、示した2つのアプローチはいずれも速度を下げさせる対策を講じるものですから、運転者は、もともとはこれぐらいの速度で走れていたのに、こういった対策をされたせいで、速度が下がるから嫌だなと思うわけです。運転者側に負担がかかるわけです。しかし、どういう状況であれば、速度を下げて利便性が下がっても受け入れることができるのか。ここでは、それを「受容性」として分析を進めています。 4ここでは、1)どのような人ならば(個人の視点)2)どのような地域ならば(場所の視点)たとえ不便を感じても速度抑制を受け入れられるかを明らかにする目的→住宅地域のような場所で速度抑制のための施策を効果的に進めていくための知見を得る。 分析は2つの視点から行いました。1つは人の視点で、もう1つは地域の視点です。どういう人なら、どういう地域なら、速度が落ちることの不便を感じても、速度抑制を受け入れられるのかを明らかにしようとしたということです。 5 調査地域(豊田市元城地域)人口:4,605面積:1.35k㎡※豊田市の中でも特に歩行者・自転車事故の多い地域(国、警察庁が優先的に交通安全対策を支援する「あんしん歩行エリア」に指定) 対象地域は豊田市の元城小学校区です。ここは豊 田市の中でも歩行者や自転車の事故が多い地域で、 国や警察庁から優先的に交通安全対策を支援する 地域に指定されています。 6調査の概要対象:豊田市元城小学校区の全世帯(対象:豊田市元城小学校区の全世帯(22752275世帯)世帯)((※※車を最も運転される方車を最も運転される方11名)名)調査時期:調査時期:20112011年年22月中旬月中旬調査方法:ポスティング配布・郵送回収調査方法:ポスティング配布・郵送回収回収数:回収数:633633票(回収率票(回収率2828%)%)男性:男性:6969%、女性:%、女性:3131%、%、高齢者(高齢者(6565歳以上):歳以上):17.317.3%、非高齢者:%、非高齢者:82.782.7%% アンケート調査は、全世帯の方に調査票を配り、その世帯の中で最も車を運転される方1名にご回答いただく形で行っています。約2000票配りまして、633票回収しています。 7分析(個人の視点) まず、個人の視点からの結果をご報告します。 17

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