平成23年度 研究成果報告会開催記録
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が、今の時点で課題と感じ始めているところが大きく2つあります。 1つは、実証そのものをスピーディーに、しっかりと進めていくことです。実証用の住宅をお客様に買っていただいて、生活していただくということですが、そうした形の取り組みはこれまで日本でも殆ど例がないと思います。入居いただいた方に快適に過ごしていただきながら、新しいシステムの開発をしっかり進めていかなければなりません。 もう1つは、こういった低炭素化の取り組みを将来的にどういう形でビジネスとしてゆけるかということです。ご説明したEDMSやTDMSといったシステムも、皆さん、そういうものがあったらいいねとおっしゃいますが、では実証が終わった後、誰が主体となって持続的な事業として継続してゆけるのか、あるいは、私どもトヨタ自動車にとって新しい事業として取り組み得る領域は何か、今後の実証を通じてしっかり整理していきたいと考えています。 画面は実証の全体スケジュールを示したものです。昨年から始まった本実証は、2014年まで5年間の計画で進めます。今年が2年目、いよいよ本格的な実証をスタートさせる年ということで、皆さんもご存じかと思いますが、この6月から実証用のスマート住宅の販売がトヨタホームさんから開始されました。 第1期14棟の分譲は、おかげさまで即日完売と聞いています。9月から第1期の皆さんに入居いただいて、いよいよ具体的な実証試験をスタートすることになります。 写真は先行して1棟完成した実験用のモデル住宅です。これはお客様に住んでいただくというより、我々実証企業のチームがシステム開発の仕上げをするのに使います。市長さんからもお話がありましたように、昨日マスコミの皆さんをお招きして、この住宅の中をご案内したところです。 最後に、また余計な話ですが、今年3月に発表した私どもトヨタ自動車の「トヨタグローバルビジョン」について一言だけご紹介をさせていただきます。 私どものビジョンの心は、画面にありますように、 「笑顔のために 期待を超えて」です。トヨタをお選びいただいたお客様に、ご期待を超える何かを発見していただいて、驚きとか、感動とか、そういった笑顔を浮かべていただきたい、そんな商品やサービス、もてなしを提供していきたいと日々努力を重ねています。 このビジョンに対しまして、アナリストの皆さんからは、具体的ではないとか、数値目標が見えないとか、割と厳しい論調のお言葉もたくさんいただいていますが、我々は数字を追うのではなく、何か世のため、人のためになることをやっていれば、それがひいては我々の成長にもつながるのではないかと考えています。これは私どもトヨタ自動車の創業時からのDNAでありまして、私ども社員の腹には結構すとんと落ちている感じがしています。 車づくりの本業はもちろんですが、本豊田市実証の取り組みにつきましても、お客様あるいは関係の皆様の笑顔のために、ご期待を何とか超えられるように、努力を重ねてまいります。皆様の引き続いてのご指導とご支援をお願いして、結びとさせていただきます。長時間ご清聴ありがとうございました。 ※発表資料(パワーポイント資料)は、掲載を差し控えさせていただきました。 10

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