平成23年度 研究成果報告会開催記録
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キロまで電気で走れます。したがいまして、通勤や買い物などの日常の用途では、おおむねEVとして活用いただき、一方、休日のレジャーや遠出の際は、バッテリー残量やインフラを気にせず、安心してロングドライブをお楽しみいただけます。そしてバッテリーの電力を使い切った場合にも、そこからは通常のハイブリッド車として、やはり大変優れた燃費を実現できるシステムです。いわばEVとハイブリッド車のよいところ取りをした、本当の意味でのハイブリッド、あるいは、進化した電気自動車として、次世代環境車の当面の主軸になろうと考えているわけです。 豊田市さんでは、昨年12月から、約20台のプリウスのプラグインハイブリッド車を公用車等々としてご活用いただいています。 さらに改良を重ねまして、来年の早い時期には新型のプラグインハイブリッドモデルを投入し、全世界で数万台レベルの販売にチャレンジしていきたいと考えています。 さて、いささか宣伝が過ぎましたが、続いて、本日の本題であります「豊田市次世代エネルギー・社会システム実証の取り組み」についてご説明させていただきます。 豊田市は、先ほどの市長のお話にもあったかと思いますが、昨年4月、経済産業省が指定する「次世代エネルギー・社会システム実証地域」に選定されました。いわゆる日本型のスマートグリッドの構築とその海外展開を実現していくための大規模実証を行う重点投資支援エリアに認定されたわけです。 全国20地域の提案の中から、ここ豊田市、その他では、けいはんな学研都市、横浜市、北九州市が選ばれていますが、この4地域はそれぞれ、実証の対象とする分野やエリア、あるいは、エネルギーマネジメントを主に系統側で行うのか、需要側で行うのかという点で、取り組み内容に特色を持っています。私ども豊田市の取り組みの特色は、家庭部門を主な対象とすること、また交通分野にも力を入れて取り組むことであろうと考えています。 本プロジェクトは、昨年8月に「豊田市低炭素社 会システム実証推進協議会」という組織を発足させ活動を始めています。協議会の名前が長すぎて舌をかみそうだということで、今、メンバー企業ではコンパクトで皆様に覚えていただける愛称を検討中です。もしよいご提案があれば、是非私までご一報ください。 協議会の会長は豊田市さんにお願いしていまして、私どもトヨタ自動車が副会長を務めさせていただいています。 当初、19団体・企業でスタートしましたが、画面にありますとおり、現在は26団体企業、ごく最近では、愛知県さん、中日本高速道路さんにも加わっていただきました。仲間も増えつつ、活動も拡大・加速しているところです。他に本日会場にもいらっしゃる豊田通商さん、矢崎総業さんなど、地元の企業さんにもご参加いただいて、力をあわせてやっています。 次に、本実証の着眼点、基本方針についてご説明いたします。 上に書いてありますとおり、家庭部門のCO2低減にチャレンジするという方針です。 このグラフは90年と2009年のセクター別CO2排出量を構成比で示したものですが、家庭部門は、家と自家用車を足して09年で21%、しかも90年と比較した伸び率が大変大きくなっています。構成比自体で見ますと、産業部門がもっとも大きいのですが、同時に削減の努力も相当程度進んでいます。それに比べて家庭部門は、まだ取り組みの余地が大きい分野ではないかということと、需要家が小口分散、いわゆるロングテール型であり取り組みが難しい分野であることから、我々はあえてそこにチャレンジしていきたいと考えたわけです。 こちらは実証、取り組みの上での基本的な3つの視点をまとめたものです。 1点目は、今も申し上げました家庭(生活者)に注目するということです。いわゆる生活者、市民の生活動線に沿った実証を進めていきたいと考えています。まずは家庭内、それから、家庭からの移動先、商業施設や学校、公共施設など、そして、それ 6
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