平成21年度 研究成果報告会開催記録
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ので、非常に興味深く聞かせていただきました。 交通量データも速度データもとられて、丁寧に分析されていました。意識データとの関係も非常に分かりやすく、評価できると思います。 ただ、よくよく見てみますと、速度があまり落ちていないんですね。交差点の接近速度が40キロぐらいと、結構高い速度です。そういう速度で交差点に進入してきて事故が起きない状況か、少しまだ状況がよく分からないところもありますが、それに対してカラー舗装化した後もあまり落ちていないような感じがして、その中で分析をされていたということです。 カラー舗装化自体は、それなりの効果があると私は思っていますし、もう少し見方を変えれば、効果が見えてくる可能性があるかなという気がします。例えば、優先道路側と一旦停止側がありますので、一旦停止側の停止率がどうなったかとか、交差点内の走行速度がどうなったかとか、もう少しいろいろな視点で分析していただければよかったかなと思います。 もう1つ、この交差点だけですと、やはり状況が偏っていますので、いろいろなタイプの交差点で比較しながら分析されると、カラー化の効果が道路タイプとともに分かるのではないかと感じます。 最後、三村さんが発表されました「自治体の運行するバスの運営実態とその評価視点」についてです。 評価視点に着目した調査分析で、非常にユニークな研究だと思って聞いていました。 非常に多くの自治体が、収益を度外視して、利用実態だけで運行していることに非常に興味を持ちました。質問でもあったかと思いますが、運行を継続するか、もうやめるのかという、しきい値というか、そういった判断材料がどういうところにあって、収益がなくても利用実態で判断するという、その利用実態が何かというところをもう少し深く聞ければよかったかなと思います。今後、そういったことも含めて分析されればと思っています。 今後、豊田市さんは新しいバスシステムを導入していくというお話がありましたので、太陽電池の充電システムで充電して、かなりコストを削減しながら、バスが運行できれば、交通空白地域でもそれなりのバス運行が可能になるのかなとも思います。新しい技術力も考慮しながら、豊田市の「環境モデル都市」戦略にも関連づけて、環境都市を形成する上でのバスの研究といった形で貢献されるといいのかなと思います。今後研究を進めていただければと思います。 とりとめのない講評で申し訳ありませんが、これで終わります。どうもありがとうございました。司会:藤田先生、ありがとうございました。 もうお一方、当研究所の評議員であります豊田市都市整備部の山田正秋部長にお願いします。山田:豊田市都市整備部の山田と申します。よろしくお願いいたします。 本日ご列席をいただきました皆様、豊田都市交通研究所の皆様におかれましては、日ごろから豊田市の交通行政の推進につきまして大変お世話になっています。この場をお借りいたしまして、厚くお礼を申し上げます。 さて、今日は3人の研究者の皆さんから研究報告をいただきましたが、私からはこれらの交通施策を実際に現場で推進している行政の立場から講評をさせていただきます。 その前に、安藤部長さんから説明のありました研究所の位置づけと役割について少し述べさせていただきます。 本研究所は、専門的な研究に取り組んでいる大学と、市場でビジネスとして展開している民間企業、

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