平成21年度 研究成果報告会開催記録
49/64

司会:質問はここまでとさせていただきます。 私どもの研究報告発表会では、発表後に外部の方から講評をいただくことで、厳しくご意見をいただきつつ、励ましていただくというプログラムになっています。今回もお二方にお願いしています。 まずは、名古屋工業大学大学院教授でありまして、当研究所の研究企画委員でもあります藤田素弘先生にお願いいたします。藤田:ただいまご紹介にあずかりました名古屋工業大学の藤田と申します。僭越ながら講評させていただきます。 私は研究企画委員として研究企画委員会で皆様の発表を聞かせていただく機会がありますが、今日はかなりこなれた発表をされていまして、非常に分かりやすくまとめられていたと思います。 講評は研究報告についてなんですが、今日最初に「ハイブリッド・シティとよた」ということでご講演された豊田市の方のお話が非常に印象に残っています。今後の戦略として、2030年までにCO2を30%削減するため、エコドライブ、太陽光発電によるプラグインハイブリッドカーを促進し、新しいバスシステムを導入するという内容でしたが、豊田市ではそんな夢のような交通システムを入れていかれるのかと非常に感銘を受けました。トヨタ自動車をはじめ、技術力のある豊田市ですから、かなり説得力のある話として聞いたわけです。これで1つの軸ができましたので、それを踏まえて今回の発表はどうかという観点も含めて聞かせていただきました。 まず、安藤さんが研究概要ということで発表されていました。8名の研究員で年間19件の発表をされたということで、非常に活発な研究活動をされていると思います。 最初に、西堀さんの「大規模事業所を対象としたエコ通勤プロジェクト」についてです。 トヨタ紡織工場に提案されたモビリティ・マネジメントを使った交通対策の実践結果を発表されていました。バス利用者が12%増加したという成果もあったようですが、その一方で、渋滞があまり変化しなかったということもありまして、今後、どういう方向で研究をされていくのかという点に非常に興味を持ちました。 中身としましては、「公共交通」対「車」の割合を1対9から3対7に持っていくための1つの対策として、短距離交通の人には車から自転車にかえていただくといったことも出ていましたが、バス交通に対する分析が少ないように思いました。ご発表の中に入れられていないだけかもしれませんが、もう少しバス交通に対する分析が増えてもいいのかなという感じがします。 というのは、対象の絞り込みの仕方だと思います。今後バス利用者をもっと増やすためにはどうしたらいいかというところで、イグレス側といいますか、工場の最寄り駅から工場までのイグレス交通としてのバス端末についてはいろいろ対策を考えられているようでしたが、アクセス側、自宅から最寄り鉄道駅までの状況がどうなっているか、最寄り側の状況とこういった施策に対する反応はどうか、そういったことも含めて絞り込みをした上で、少し施策を変えることでバスに乗りやすくなる人はどんな人かというところを考えれば、より多くの人が公共交通を使うようになるのではないかと思います。今後に期待したいところです。 続きまして、「生活道路における交差点カラー舗装化対策」についてです。 私は愛知県の交通事故対策協議会みたいなのに入っていまして、愛知県全体で幹線道路部の、最近は信号交差点が多いんですが、信号交差点沿線上でのカラー舗装化などの事故対策を実施しています

元のページ  ../index.html#49

このブックを見る