平成21年度 研究成果報告会開催記録
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評価と運行の関係性をより詳細に見ていきます。 まず、使用するデータは先ほどと同じデータです。ただ、複数の種類のバスを持っている自治体もありますので、評価と実態が直接的につながるように、1種類しかバスを持っていない481自治体に対象を限定しています。 分析方法は、先ほどご紹介しました「運行見直し時に重視する評価項目」を使って、統計的な手法、因子分析という手法を用いて、評価の視点を特徴的な評価軸に分類して、分類された評価軸と運行実態、特に課題のある収支率に着目して、その関係性を分析します。 統計的手法による評価軸の集約です。先ほど10個ぐらいの評価項目がありましたが、それをこういった手法を使って、4つぐらいの特徴的なものにまとめています。1つが、利用者数を重視する評価の因子、2つ目、間接効果を重視するという因子、3つ目、収入を重視するという因子、4つ目、利用者満足度や利用者の活動を重視するという因子です。因子は評価軸と思っていただければいいです。この4つの因子を各自治体がどれぐらい持っているのかを定量的に明示します。運行の実態、ここでは収支率を使いますが、収支率から見た評価時の重視要因ということで、3つの視点で分析しています。上は、収支率0.2未満というバスの運行が非常に厳しい自治体です。真ん中が0.2から0.5ということで、上に比べればましですが、かなり厳しい状況です。最後、一番下が0.5以上ということで、この2つよりは比較的いい経営状態です。先ほど言いました評価の軸が、中心の線から左側に高いと、その評価軸をその自治体は重視しない、右側に来ますと、重視して評価を行っているということになります。 上の、バスの運行が非常に厳しい自治体は、収支率が非常に低いにもかかわらず、収入を重視する評価軸がマイナスになっていますので、重視せず、どちらかというと、利用者数を重視しています。真ん中は、上に比べて収入を重視していることが分かります。利用者満足・活動因子は、収支率が比較的いい自治体でないと、重視する側に出ていない傾向があります。

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