平成21年度 研究成果報告会開催記録
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さらに、その収益をどこから得ているのかをまとめてみたのがこちらです。運賃、協賛金、広告、それ以外、どういった形で収益を得ていますかと聞きますと、9割以上が収益を運賃からしか得ていないといいますか、そういったバスがほとんどであるということです。協賛金等、運賃以外の収入を得ているバスはなかなかありません。 以上から、運行実態のまとめてみます。ここ10年で運行を始めたバスが大半を占めている状況である。運行目的は、交通空白地域といった需要(利用意向)がこれまで不明だった地域への導入が多い。運行の形態としては、従来からの循環型や往復型が多く、低需要な地域に有効とされているデマンドバスのようなものはまだまだ導入されていない。運行の頻度は、毎日運行が全体の4割以上を占めて、最も多い。つまり、利用意向がこれまで不明だった地域で、バスによっては毎日という比較的高頻度でバスを運行していることが分かります。 利用・収支実態のまとめです。1便あたりの利用者10名以下が5割以上である。均一料金が多くて、その大半は100円か200円である。さらに、収益のほとんどが運賃によるものである。つまり、均一料金が非常に低廉に抑えられているにもかかわらず、それ以外の収入がほとんどないことが分かります。 こういった実態を踏まえますと、利用意向が不明な地域で走らせることから、利用者の考え方と、収益に対する意識という視点が重要になっていくのではないかと考えます。 次は、②自治体におけるバスの評価の実態です。 繰り返しになりますが、運行の実態から見えた問題意識として、利用者のいなかった地域への運行が多いため、利用者の意識に対する慎重な姿勢が重要であると考えられます。さらに、収支的に厳しい中で、収入源も運賃だけと、かなり固定化している状況があるため、改善に向けた努力が必要であろうと考えられます。 分析対象データは、回答をいただいた1,112の自治体のうち、バスを運行している651の自治体です。どういう評価がされているのか、調査項目はこちらに載せたようなものです。 まず、評価のための調査項目の実態を見ていきます。

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