平成21年度 研究成果報告会開催記録
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に大きくなると考えます。 続いて、バス交通を取り巻く潮流を見ていきます。法律が改正されたり、新たな法律ができたりしていまして、自治体がバス運行の主体になる時代に変わってきています。そういった背景もありまして、マニュアルもかなり作られ始めていますし、制度や枠組みなど、ハード面でも整備されつつありますが、自治体はそれらを活用しつつ、どういう形で運行しているのかという点は注目すべきところです。 自治体が運行事業者として求められることとして、土木学会から出されている『バスサービスハンドブック』には、「自らが実施ないし選択している政策や事業、サービスが適切なものであるかを常に観測し判断するとともに、必要とあればそれらの内容を変更していくことが重要」と書かれています。 地域を支えるバス交通の主役に立った自治体は、現在どのようにバスを運行して、評価しているのか、また、改善に結び付けているのか、そして、今、浮かび上がっている課題は何かという点を今回の調査で明らかにしていきます。繰り返しになりますが、調査目的は、運行事業者となった自治体の運行・評価がどのような現状にあるかを確認し、実際に行われている評価傾向と、そこから生じる課題を探ることにあります。 次に、研究手順です。対象とする自治体バス、コミュニティバスと書いてありますが、ここでは「主に行政機関が路線の計画や運営の主体となり、交通不便地域の解消や地域モビリティの向上に役立つバス輸送システム」というふうに定義しています。こういったバスが一体どういうふうに運行されているのか、評価されているのかを調査します。先ほどから述べているように、①運行の実態と②評価の実態、さらに、③評価と運行の関係性を見ていきます。 まず、①自治体の運行するバスの運行実態についてです。

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