平成21年度 研究成果報告会開催記録
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司会:最後の研究発表は公共交通分野です。公共交通分野では、バスに対して自治体が主体的にかかわる時代が今、訪れて久しい状況です。このような中で、自治体のバス運行を評価していこう、そして、改善していこうという流れがあります。私どももこれに取り組んでいまして、何度か自治体に対してアンケート調査等を実施しています。今から三村研究員が発表する内容は、昨年度、全国の自治体を対象に実施した調査結果データを用いた研究です。 それでは、「自治体の運行するバスの運営実態とその評価視点」ということで、三村研究員から報告いたします。三村:皆さん、こんにちは。研究員の三村でございます。「自治体の運行するバスの運営実態とその評価視点」ということで研究報告をいたします。まず、背景ということで、これは高齢者人口が今後どのように変わっていくかを示したグラフです。横軸が年代で、縦軸が人口、折れ線グラフは総人口の変化を示しています。この縦ラインが入っているところが現状です。今後だんだん総人口が減っていきます。黄緑色のグラフと青色のグラフは、75歳以上の人口と65歳から74歳の人口がどのように変わっていくのかを示したものです。だんだん割合が増えていっています。こういった人口減少や高齢化を背景に、生活を維持する最低限の移動環境を確保する社会的基盤の重要性が今後、さらに増してくると考えられます。 移動の基盤を守っていく、つまり、市民の足を守る代表選手は、バスや鉄道などの公共交通であると考えます。特にバスは、鉄道と比べますと、非常に柔軟なシステムを持っています。道路があれば運行できますし、運行経費も鉄道に比べて少ないというメリットもあります。今後、求められる役割が非常三村泰広(豊田都市交通研究所研究員)

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