平成21年度 研究成果報告会開催記録
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次は2つ目のパターンです。結論から申し上げますと、効果があまりなかったほうです。小坂町の流入部aと梅坪町の流入部bです。減速率がそれほど下がっていません。むしろ上がっていたりしています。 こちらは、幅員が比較的広い道路です。車道の部分は狭いけれども、歩道や路側帯の部分が非常に広くとられています。ドライバーからすると、道路空間が広く、窮屈ではないような感覚です。かつ、一旦停止規制がありませんので、停止義務もありません。こういったところにおいては、色を塗ったからといって、わざわざ減速行動までは促されないという結果が出ています。 一方、交通量の変化です。速度を見るのは、それが下がればより安全になるということでご理解いただけると思いますが、交通量はなぜ見るのかということです。よく指摘されますのが、地区内の抜け道として利用される通過交通です。今回梅坪で交通量を測ったんですが、並行して走る近くの幹線道路が渋滞すると、その渋滞を避けようとして、地区内の道路に通過交通、抜け道として入ってくる車が多くなることがわかっています。そこで、交差点に色を塗ることによって交通量に変化があるかを確認したということです。結果、あまり変わっていません。ですから、交差点に色を塗ったからといって、そこを通過するのをやめようと判断する方はあまりいらっしゃらないということです。 こちらは昼夜別に見た断面平均速度の変化です。スピードガンでは、1つの車両をずっととりますが、トラフィックカウンターですと、1地点で何台もの、大量の車の速度がとれますので、それを使って、昼の事前と事後、夜の事前と事後ということで比較しています。 統計的に分析して、最後に書いてあるt値の値が大きいと、その差には意味があるということですが、ここの昼の部分に3.43という大きな値、統計的に意味のある差が出ています。昼のほうに効果が出やすいという結論が得られます。事後の昼と夜を比べると、2キロ近くの差が出ています。170102030405060-30-20-10010203040事前事後速度[km/h]停止線からの距離[m]車両の進行方向小坂町11(流入部a)減速率事前:4.1%事後:4.5%流入部特徴別の速度変化②0102030405060-30-20-10010203040事前事後速度[km/h]停止線からの距離[m]車両の進行方向梅坪町6(流入部b)減速率事前:-6.5%事後:-5.3%幅員が比較的広いかつ一時停止規制等の速度規制なし⇒大きな速度制御に至るほどの注意喚起とはならない18交通量の変化(梅坪町6)流入部b2560273627332780292922891838251626682749261527602388178005001000150020002500300035004000月火水木金土日事前事後流入部d2732285227913014294923921881274529092865279229802364175305001000150020002500300035004000月火水木金土日事前事後19118.243.41504事後-0.44109.043.21517事前夜62.541.82672事後3.43*96.942.62877事前昼d152.138.5807事後-0.98133.537.9796事前夜78.638.62075事後0.8171.038.81924事前昼bt値分散平均観測数事前/事後昼/夜流入部昼夜別にみた断面平均速度の変化(梅坪町6)速度の単位は[km/h] *1%有意
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