平成21年度 研究成果報告会開催記録
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通勤対策に対する意見ということで、アンケートの中で自由意見を記述する欄を設けましたところ、4,000人のうち2,000人からご回答をいただけました。自由記述ですから、答える必要はないんですが、何らかの意見をお持ちで、それを訴えたい方がたくさんいらっしゃったということです。先ほども申しましたが、かなり意識の高いところだなと感じました。 例えば、エコ通勤の中では時差出勤がやりやすいという回答が多かったんですが、実際には、「君、今日は遅いじゃないか」と言われるのか、無言の圧力かもしれませんが、そういった雰囲気があって時差出勤は難しいという意見が出ています。また、出勤してから、会社から出張に行くときにマイカーを使うので、やはり車で通う必要があるという方もいました。中には、会社の近くに住んでいる人は車で通うのを禁止してもいいのではないかというような強制力を持った対策を求める声もありました。次、結果を踏まえた当研究所からの提案です。今回のエコ通勤プロジェクトの結果を踏まえて、4点ほど提案しています。1点目、プルだけではなくプッシュが必要。例えば通勤バスを1日40本も走らせるという、どちらかというと、サービスを提供する側の対策だけではなく、近距離の車通勤禁止といった厳しめの対策を実施してはどうか。2点目、会社としての方針が必要。厳しめの対策をするには、会社としてそれなりの理由が必要ですので、通勤対策に対する方針を明確にすることが必要ですよと。3点目は、通勤対策の目標設定が必要。どんどんやればいいというわけではなく、やはり目標があって、それに対して取り組んでいくことが必要ですよと。4点目、対象を絞り込み、効率的に取り組むことが必要。より大きな効果を出すためには、対象を絞り込んで、効率的に取り組んでいくことが大事ですよということです。 以上、4点をご提案させていただきましたところ、事業所様のほうで今後も継続して通勤対策に取り組んでいただけるということで、最近もご相談に来ていただいたり、我々もご協力させていただいたり、そういった関係が構築できましたので、我々としてもやりがいがあったなと思っています。 従業員の通勤実態を踏まえて通勤対策を提案していますので、その例をご紹介します。 まず1つ目、プルではなくプッシュも必要ということで、部署ごとの出勤時間の割り当てをしてはどうでしょうという話をしています。強制的な時差出勤です。事業所様としては厳しいかもしれませんが。このグラフは、出勤時間を横軸に、棒グラフは出勤21通勤対策に対する意見や通勤実態従業員の通勤に対する意見を把握社内に、時差出勤しにくい雰囲気があるケースがある出張にマイカーを使う必要があり、クルマ通勤をやめられないなかには、強制力を持った対策を認める声も従業員の通勤実態も把握(後述)22結果を踏まえた当研究所からの提案PullだけでなくPushも必要通勤対策に対する会社としての方針が必要通勤対策の目標設定が必要対象を絞込み効率的に取り組むことが必要事業所は継続して通勤対策に取り組むことに23提案した通勤対策の例(PullだけでなくPush)部署毎の出勤時間の割り当て(強制的な時差出勤)職場(駐車場)への到着時刻01503004506007505時より前5:005:105:205:305:405:506:006:106:206:306:406:507:007:107:207:307:407:508:008:108:208:308:408:509時以降時刻時刻帯別人数(人)0%20%40%60%80%100%累積割合(%)到着時刻(時刻帯別、左軸)到着時刻(累積、右軸)8時00分から30分の間に約1,500人(全体の4割近く)が到着しているN=3,934
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