平成21年度 研究成果報告会開催記録
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とです。 次は、エコ通勤を進めるために具体的にどういったことをしたのか、エコ通勤促進に向けた取り組みの内容です。モビリティ・マネジメント(MM)の手法を使ったエコ通勤の促進です。モビリティ・マネジメントを一言で言いますと、自発的に交通行動を変化させることを目指したコミュニケーションを中心とした施策のことです。 皆様もお車で通勤されている方が多いかと思いますが、毎日毎日車で通勤するのが当然という状況にあるかと思います。でも、本当に車が一番いいのか、ちょっと冷静になって考えてみてください。例えば、おいでんバスや名鉄バスを使えないか、愛知環状鉄道、名古屋鉄道が使えないか、場合によっては、車で通うより公共交通、鉄道やバスを使うほうが移動時間が短いかもしれません。さらに、最近メタボとよく耳にしますが、健康のことを考えると、歩いたほうがいいんじゃないか、自転車で通ったほうがいいんじゃないかということもあるかと思います。 しかしながら、車で通う習慣はなかなか変えにくいものです。なぜかといいますと、判断も何もしていないからです。朝起きて、準備して、玄関を出ると、車があって、何も考えずに車に乗って会社に行く。こういう状況の中では、人はしばしば無意識のうちに非合理的な選択をしてしまうものです。ほかに便利な手段があるときでも、車を使って通勤してしまうわけです。そこで、今回の通勤プロジェクトでは、コミュニケーションによって習慣を見直す機会を提供し、行動を変えていただくことを促していきます。 ただ、そもそも「エコ通勤をしよう!」と思っていただかないと、行動は変わりません。エコ通勤をしようと思うこと、つまり、エコ通勤をしようという行動意図を持っていただくには、さらに深いところでの意識が関係してきます。例えば、態度、知覚、つまり知っているかどうか、もっと深いところに行くと、道徳意識、こういったものです。態度や知識、道徳意識を刺激するといいますか、そこに働きかけることができると、初めて「エコ通勤をしてみようかな」という意図が生まれます。意図が生まれても、いつ、どこで、どういうふうにエコ通勤をするのかというところまで考えないと、実際の行動変容には至りません。こういった考え方を基に、エコ通勤をしていただくように促していきます。 では、どのように働きかけをしていくのがいいのか。まず、態度への働きかけということで、例えば、7エコ通勤促進に向けた取り組みの内容モビリティ・マネジメント(MM)の手法を活用し、エコ通勤を促進自発的に交通行動を変化することを促す、コミュニケーションを中心とした交通政策8自動車利用の「生活習慣」「クルマで通勤」があたりまえ・・・でも、本当?おいでんバスや名鉄バスは使えない?愛環や名鉄は?もしかしたら公共交通のほうが、移動時間は短くない?健康のことを考えたら、少しは歩いたほうがいいんじゃない?習慣:判断をせずに、自動的に選択する傾向しばしば、無意識に、非合理的(非効率的)な選択をしてしまうコミュニケーションにより、習慣を見直す機会を提供し、行動変容を促す参考資料:藤井聡「モビリティ・マネジメント(MM)の概要&住民を対象としたMM」『第一回JCOMM発表資料』,20069行動変容と情報提供態度知覚行動制御道徳意識エコ通勤の方が得だエコ通勤は難しくないエコ通勤は環境にいい実行意図いつ、どこで、どのように、エコ通勤しよう行動変容エコ通勤の実行情報提供(コミュニケーション)買い物バス(お金)ナンバープレート制(規制)行動意図エコ通勤しよう参考資料:藤井聡「モビリティ・マネジメント(MM)の概要&住民を対象としたMM」『第一回JCOMM発表資料』,2006②依頼③実践場面の検討①情報提供
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