平成21年度 研究成果報告会開催記録
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い者の交通行動実態調査は、恐らく日本で初めてだと思います。 このグラフから分かるように、いつでも運転可能な方の場合、単独の外出率66%、介助による外出率12%、約8割の方が何らかの形で外に出かけられる状況です。一方、自動車利用不可の方、あるいは、ときどき送迎していただける方の場合、5割以上、ほとんど外出していません。このような方々は、モビリティ、基本的な交通権と表現されている方もいらっしゃいますが、モビリティの権利が阻害され、一種の潜在的な需要が実現できない状況にあります。 研究所としては、これらの状況を踏まえて、人にやさしい交通システムを実現していくためにどうすればいいか、今年度の研究テーマをはじめ複数年度で検討していきたいと考えています。 4つ目、面的速度マネジメントに関する研究です。 人と環境にやさしい交通システムを考える場合、もう1つ重要なポイントは安全であることです。ここでは人の側面での研究成果を紹介したいと思います。 これは豊田市の中心市街地にある、平成19年度まで国交省にも認定された「あんしん歩行エリア」です。ここが豊田市駅辺りです。内環状線と、こちら側は153号です。それらによって囲まれたエリアの中です。太い線で表示しているのは50キロ規制、そして40キロ規制、破線は30キロ規制の道路です。 ここで見落としてはいけないのは、例えばこういうエリアです。この細い道路は速度規制がないので、法定速度60キロで走っていいということになります。細かい道路、本来のコミュニティ道路に速度規制がない中で、本当に安全が保障されるかという疑問があります。調査課さんとも連携しながら、豊田市の新たな「あんしん歩行エリア」の検討にあたって、このような観点からも提案していきたいと考えています。 概要はここまでとしまして、研究所の第3の役割である世界への情報発信と貢献における成果についてお話しします。 これは平成20年度に限ったものですが、全部で11の論文集、雑誌、学会等で約19件の発表をしています。先ほど申し上げたように、約8名の研究員ですので、1人あたり2、3件、何らかの形で論文または発表していることになります。主な発表先はここに書いたとおりです。 今年度、平成21年度が半分過ぎていますので、H21.10.2115(4)面的速度マネジメントに関する研究国道155号R153/R301国道153号内環状線内環状線豊田大橋へ高橋へ豊田市駅新豊田駅H21.10.2125(5)これまでの主な研究成果•11論文集・雑誌・学会等で19件の発表•主な発表先→ITS世界会議→ITSシンポジウム→土木学会土木計画学研究発表会→交通工学研究発表会→自動車技術→高速道路と自動車ほかH21.10.213平成21年度以降平成20年度まで交通まちづくり住民参加のあり方政策評価公共交通ITS・道路網計画TDM交通安全6.今後の研究分野

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