平成21年度 研究成果報告会開催記録
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1,200票を回収しています。その中で大変興味深い数字を2つほどお示しします。 上は、通勤・通学交通手段です。車利用は約7割で、先ほど石川課長の講演の中にあったバス利用は、わずか3%です。そのほか、鉄道、自転車の利用もありますが、現在はこのような状況です。 豊田市は車のまちです。2030年、あるいは、2050年までに公共交通への転換を促進しながらも、車依存型社会であるという現実を直視し、その中で環境にやさしいまちづくりを実現するには、エコドラブが重要になってくると考えています。 そこで、エコドラブの実践状況を見てみますと、約8割の方が既に何らかの形で実践していることが分かります。これを確立させると同時に、まだ実践していない方への普及を実現するため、石川課長からもお話がありましたように、より一層の推進を図ることが求められます。2つ目、地域ITS評価に関する調査です。 豊田市はITSのモデル都市として、日本のみならず、世界的に有名です。非常にたくさんの取り組みをされていて、ITS世界会議でも豊田市の発表にはいつもたくさんの聴衆が集まります。 地域ITSとは、情報提供をはじめ、最近はICTといいますが、いろいろな情報技術を活用して、交通システムを支援する仕組み、技術です。豊田市では、さまざまな情報提供がなされていますが、ここでは2つの例を紹介します。非常に対照的な結果です。 下は、豊田市で実施されている中心部駐車場の情報提供についてです。約6割の方が、知っていて利用しているか、利用していなくても知っているという状況です。地域ITSに対して一定の評価が得られているといえます。 一方、上のところ、市内公共交通に関する情報は、せっかく提供されているにもかかわらず、知っていて利用している方はわずか6.3%です。14%の方は知っていても利用しない、8割の方は全く知らないという状況です。 知っていても利用しない方になぜかと聞いたところ、最も多い回答は、バスを利用しないなんです。利用しないから、情報を見ても意味がないということです。バスへの転換がいかに険しい道のりかが分かります。 3つ目、障がい者の交通行動実態調査についてご紹介いたします。 2年前の研究報告発表会のとき、市民の方から「もっと目線を障がい者に向けてくれないか」というご要望が出されました。豊田市の取り組みメニューの中に「人と環境にやさしい公共交通の整備」という項目がありますように、環境にやさしいだけではなく、人にもやさしい交通であることが求められます。無視されがちな障がい者の方々への配慮をどうやって施策の中に取り組んでいくかということで、まず実態把握からスタートしました。 昨年度、今年3月に、豊田市在住の障がい者の方、約2,500人を対象に調査し、約1,300の方から回答をいただいています。所内では、「障がい者PT」という表現を使っています。このような大規模な障がH21.10.2105(3)障がい者の交通行動実態調査66%23%14%16%39%32%12%24%44%26%10%27%22%52%42%57%50%41%0%20%40%60%80%100%いつでも運転可ときどき運転可いつでも送迎可ときどき送迎可自動車利用不可全体単独外出率介助外出率外出なし率図自動車利用環境別外出状況•2009年3月に実施•地区別・障がい種別の2511人(抽出率24%)•1301サンプル(有効回収率52%)H21.10.295(2)地域ITS評価に関する調査⑨市内公共交通情報6.3%79.6%14.0%0%20%40%60%80%100%市内公共交通情報(n=1125)知っていて利用する知っているが利用しない知らない知っているが利用しない理由(複数回答)10218982310050100150①②③④⑤n/a票数n=158①ほぼ時間通りにバスが来る③自分が利用する停留所にはない⑤その他②見方が複雑でわかりにくい④バスを利用しない⑬中心部駐車場情報37.1%39.5%23.4%0%20%40%60%80%100%中心部駐車場情報(n=1128)知っていて利用する知っているが利用しない知らない情報提供を知っているが利用しない理由(複数回答)
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