平成19年度 研究成果報告会開催記録
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32住宅との兼ね合いを考えながら、ハンプの設置場所を決めなくてはいけないということです。 さて、2種類のハンプを比較しました。グラフを見ていただければ一目瞭然というか、個体の性能としては、サイン曲線のハンプのほうが優れていて、断面形状が台形のものは、それに比べるとやや劣っています。ただ、実際に置こうとすると、長さ4メートルの大きいハンプは置き場所があまりありません。両側に歩道があるところならいいんですが、日本の街路の8割から9割ぐらいは歩道がなくて、道路のすぐ脇に家が建っています。玄関があったり、車庫の出入り口があったり、両側に家が建っていると4メートルのハンプを置く場所がほとんどありません。それに対して、小さいほうのハンプは、長さが短いので、割と置き場所に困りません。設置性という面では台形ハンプのほうがいいと言えます。ですから、性能と設置性を踏まえて、どちらがいいかを考える必要があります。騒音と振動の発生状況304050607080ハンプなし台形ハンプサイン曲線ハンプRV軽乗用車dB304050607080ハンプなし台形ハンプサイン曲線ハンプRV軽乗用車dB騒音振動182039乗用車111610軽乗用車2012RVサイン曲線ハンプ台形ハンプハンプなしまとめ住宅地の交通安全対策としてハンプの可能性について検討した。地域居住者、ドライバーの反応は良好であり、今後の本格設置に向けた検討が期待される。2種類の設置型ハンプはそれぞれ特徴を有しており、うまく使い分ける必要がある。 最後に、住宅地の交通安全対策としてハンプの可能性について検討しました。地域の居住者、ドライバーの反応は、安全性を高めるという意味では良好でした。2種類の設置型のハンプはそれぞれ特徴を持っていますので、うまく使い分ける、要するに片一方ばかりをどんどん置いていくのではなくて、うまく組み合わせを考えながら使っていく方法が現実的ではないかと思います。 以上でございます。司会:それでは、これまで発表した3人に対して、ご質問をちょうだいしたいと思います。いかがでしょうか。お名前とご所属、どの発表者に対する質問かをお聞かせください。質問:トヨタ自動車の田村と申します。板谷さんのご発表に対して2つ質問させていただきます。 1つは、普段バスの乗客は大変少ないと見受けられますが、バスを運行するための費用負担といいますか、一番厳しいのは運転手さんの人件費なのか、燃料費なのか、バスの台数なのか、その順番を。 もう1つは、タクシーは公共交通機関の中でどういう位置づけになっているのか。板谷:最初のご質問について、バスを運行するときの費用負担ですが、1台のバスには絶対に1人の運転手が乗っていますので、人件費が最も大きくなると思います。ただ、その前の段階で、バスの車両を持っているかいないかというのがあります。車両を持っていない場合は、車両を買う必要がありますので、車両費のウェイトが無視できません。したがって、一概にどちらが大きいということは言えませんので、ケースによって異なってくると思います。 タクシー・ハイヤーに関しては、一応、公共交通になっています。どのような位置づけというのはなかなか答えづらいところがありますが、バス等で利用できないドアツードアの手段として、また、輸送サービスに対して対価を支払っているという意味で公共交通であるという扱いにしています。質問:タクシーはやはり営業的なところでしかコン
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