平成19年度 研究成果報告会開催記録
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19 続きまして、第2部に入ります。当研究所では、自主研究や受託研究等、多数なテーマを持って研究を行っています。第2部と休憩を挟んだ後の第3部では、その研究成果の一部を報告させていただきます。本日は合計6人による報告になります。3人が発表した後に質疑の時間を設けています。よろしくお願いします。 最初は、板谷和也研究員より「地方都市の公共交通計画の方向性」と題して発表します。板谷和也(豊田都市交通研究所研究員) 地方都市の公共交通計画の方向性地方都市の公共交通計画の方向性-豊田・三好-豊田・三好11次交通圏交通計画を事例として-次交通圏交通計画を事例として-研究員研究員板谷板谷和也和也(財)豊田都市交通研究所研究報告発表会於豊田商工会議所ビル2007/10/012007/10/012007/10/01((財財))豊田都市交通研究所豊田都市交通研究所22はじめにはじめに採算は取れなくても採算は取れなくても社会的に必要な公共交通社会的に必要な公共交通をどのように維持・発展さをどのように維持・発展させていくか。せていくか。現在、市町村による公共交通計画が策定される事例が増えつつある。現在、市町村による公共交通計画が策定される事例が増えつつある。しかし本来、交通行動は市町村内にはとどまらないため、複数の自治体しかし本来、交通行動は市町村内にはとどまらないため、複数の自治体による計画を策定する枠組みが必要である。による計画を策定する枠組みが必要である。複数の自治体による都市圏単位での公共交通計画を策定した事例は全複数の自治体による都市圏単位での公共交通計画を策定した事例は全国でも限られている。国でも限られている。そこで本日は、豊田・三好交通圏における事例をもとに、全国的な傾向とそこで本日は、豊田・三好交通圏における事例をもとに、全国的な傾向と今後の方向性について報告したい。今後の方向性について報告したい。「公共交通を公的に計画することの必要性」「公共交通を公的に計画することの必要性」「複数の自治体による計画の必要性」「複数の自治体による計画の必要性」「先進事例との比較による今後の課題」「先進事例との比較による今後の課題」本日の発表内容研究の背景 皆さん、こんにちは。研究員の板谷と申します。ちょっと大げさなタイトルではありますが、「地方都市の公共交通研究の方向性」と題しまして、昨年、私どもの研究所で豊田・三好1次交通圏の交通計画を策定する機会をいただきましたので、それを基に公共交通の計画とはどんなものか、どうして必要なのかといったところを中心に発表いたします。 初めに、どうして公共交通を計画する必要があるのかということです。基本的に採算がとれなくても社会的に必要な公共交通が存在し、それをどのように維持発展させていくかというのが非常に重要な論点となっています。現在、市町村による公共交通計画が策定される事例が増えつつありますが、人の動きは1つの自治体内にとどまるものではないので、複数の自治体による都市圏単位の公共交通計画が必要です。ところが、全国的にも複数の自治体が協力し合う事例は多くありません。昨年まで私どもでお手伝いさせていただいた豊田・三好交通圏は、2つの自治体が協力してつくった計画であり、全国的にかなり珍しい非常に先進的な事例であると思われますので、それについて報告したいと考えています。 その前に、どうして公共交通が近年見直されつつあるのか、公共交通の現状についてご説明いたします。2007/10/012007/10/01((財財))豊田都市交通研究所豊田都市交通研究所33各種交通手段の輸送量各種交通手段の輸送量3911.53851.63849.63822.43854.23844.44000.63874.83300.13145.43238.0880.7862.9863.9861.8863.5873.1972.91103.71049.01104.01100.67376.27506.27550.67566.37525.37411.56646.35755.13843.63212.72508.00.01000.02000.03000.04000.05000.06000.07000.08000.019751980198519901995200020012002200320042005輸送人キロ(一億人キロ)鉄道バス乗用車鉄道・バス・乗用車の輸送人キロ鉄道・バス・乗用車の輸送人キロ自動車が多い鉄道は自動車の半分ほどバスは自動車の1割強輸送人キロ:運んだ旅客数(人)×乗車した距離(キロ)自動車は、2002年をピークとして既に漸減傾向鉄道・バスは2002年を底として現在は増加傾向 これは輸送人キロを示したグラフです。自動車と鉄道とバスの3つの交通手段がどれくらいの交通を運んでいるかを示しています。このグラフからもお分かりのように、現状では自動車が非常に多くなっていて、日本の中では一番多くの人を運んでいる

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