平成19年度 研究成果報告会開催記録
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16両を検出するためのセンサとして、可視カメラ、遠赤外のカメラ、ミリ波レーダー、それらをあわせたセンサフュージョン、それから、近赤外のカメラ、こういったもので実験を行っています。一方、歩行者をセンシングするためのセンサとして、可視カメラ、ステレオカメラ。これらを使って検出の精度を確認中です。これがDSRCのアンテナ、ミリ波レーダー、可視カメラ、遠赤外のカメラ、ステレオカメラです。 もう1つのアプリ・効果検証の実験項目です。こちらから車が入ってきたときに、情報提供した場合にブレーキを踏み始めるポイントと情報提供がなかった場合のポイントを比較して、ブレーキタイミングの差、減速したときの速度勾配の差、この辺りをいわゆる事故低減効果のパラメータとして用いることを考えています。実際に事故を起こして確認するわけにはいかないので、1つのパラメータとして検討しようということです。さらに、ドライバーの方々に対するアンケートも実施しています。 昨年度の実験結果のまとめです。要素技術検証としては、光ビーコンに関して通信容量を確認すると同時に、位置標定の精度についても確認しました。DSRCにつきましても、その可能性を確認しています。DSRCは視覚画像センサとして用いる方法を考えていますが、HMI(Human Machine Interface)等の課題も含めて検討する必要があるというところまで分かってきています。それから、センサ関係につきましては、基本データを収集して、現在、センシングのアルゴリズムを開発中です。効果検証としては、先ほど申し上げましたように、ブレーキのタイミング等で、ブレーキをかける前のアクセルオフのタイミングが少し前側に来ているというところまで確認できています。アンケートについても、モニターの方からはおおむね好意的な評価が得られています。 昨年度に続きまして、今年度、07年度も豊田市で実験をさせていただく予定です。光ビーコンの関係、センサ、信号情報の効果検証、視覚画像システム等、昨年度からの継続項目が多いわけですが、ことしはそれに加えまして、路側システムのフェールセーフ機能の検証等を追加しようというところです。それ以外に、08年度に行います官民合同実験のプレ実験という位置づけがあります。ASVという国土交通省さんのプロジェクトとの合同で、路車間通信、車々間通信のサービスの併用協調実験をやることも予定しています。さらに、先ほど申し上げました新メディアの通信性能の検証も行う予定です。 以上、今日の報告をまとめます。1点目、自律型の安全システムでは対応できない事故に対して、インフラ協調システムが有効であろうということ。2点目、通信技術がインフラ協調システムの重要な要素で、当面は光ビーコンとDSRCが有効だということ。3点目、将来的には、目指すべき事故削減効果が達成できるような高品質でセキュリティに強い新通信メディアが必要になってくるだろうということ。最後に、インフラ協調システムの実現に向けまして、豊田市で引き続き、通信メディアやセンサの要素技術、アプリ効果の実証実験を実施させていただこうと考えています。 以上でございます。ご清聴ありがとうございました。司会:皆さんに配布された資料よりもかなり充実した講演をいただきました。時間が来ていますが、せっかくの機会ですので、1つぐらい質問を受けたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。 それでは、これで終わります。どうもありがとうございました。
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