平成18年度 研究成果報告会開催記録
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--7鈴木公平(財団法人豊田都市交通研究所理事長/豊田市長) みなさん、こんにちは。ただいまご紹介をしていただきました豊田都市交通研究所理事長の鈴木でございます。この財団法人豊田都市交通研究所は、官民で出資し、平成3年に設立した機関でございます。今年で15年ということになりました。今日は、その15年の一つの節目ということで、このような会を催すことになりました。今日は多数の方にご参加いただきまして大変ありがたく思っております。豊田市の地域は自動車を生産する拠点ですが、交通問題につきましては長年に亘って都市基盤の中で若干の弱点を抱えた課題がございました。都市施策におきましても交通問題は重要な政策の柱の一つとなっておりまして、この地域をなんとかモデルになるような交通のシステムを備えた都市にならないかという思いの中で、この研究所がそのシンクタンクとしての役割を担ってきたところです。これまでは地域をフィールドとした社会実験など、いろいろ行ってきたわけですが、特にITSやTDMなどの交通課題への取り組みなどが主な事業であったと思います。実績としましては、内外環状線整備への提言、駐車場案内システムの導入、短距離交通実験バスのザウルスの運行なども行ってきました。 私は市長も務めていますので少し交通施策に関することをご紹介をしておきますが、豊田市は、環境にやさしい交通まちづくりをテーマにした「交通まちづくりビジョン 2025」を策定しています。そして、その実現のために、TDM、ITS施策を横断的に活用した5カ年計画の交通まちづくり行動計画を策定しています。 具体的に内容を申し上げますと、4つのモデル事業を予定しています。1つは渋滞環境対策です。2つ目は、香嵐渓秋季交通対策です。昨年4月に合併をしまして、足助地域の香嵐渓が豊田市となりました。香嵐渓は秋の紅葉が非常に有名なので、紅葉のシーズンになると周辺地区は非常に渋滞します。その秋季渋滞対策のモデル事業です。3つ目は、中心市街地の来訪者に対する交通対策です。中心市街地における交通事情については、いささかまだ未整備で、課題がたくさんありますので、その対策を推進するというものです。4つ目は、交通安全対策です。交通事故がなかなか減りません。今年は死亡事故も大変多く、一昨日も市民参加を得て緊急決起大会を行ったところです。これらの問題に対して、官民学が一体となり、社会実験を通して施策を推進することが具体的な内容となっています。 今年度、研究所は豊田市から都心交通ビジョンの策定を諮問されています。諮問の内容は、都心地区の将来ビジョン、将来ビジョンにおける都心交通のあり方、都心ビジョン検討における市民参加手法についてです。今年中には答申をする予定です。また、都心交通ビジョンのシンポジウムも予定しています。その節もぜひご参加をいただけたら大変ありがたいと思っているところです。
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