平成18年度 研究成果報告会開催記録
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--46司会:3人目の発表者は瀬尾和寛主任研究員です。「企業TDM事例調査」と題して発表いたします。瀬尾和寛(豊田都市交通研究所主任研究員) 企業TDM事例調査企業TDM事例調査企業TDM事例調査情報企画グループ情報企画グループ瀬瀬尾尾和和寛寛情報企画グループの瀬尾です。「企業TDM事例調査」について発表いたします。 今回の事例調査研究は、去年の12月まで研究所に在籍していた大場さんとの共同研究です。 初めに、研究テーマを選定した理由です。豊田市をはじめ地方都市の事業所集積地において通勤渋滞問題が表面化していることが1つの動機になっています。更に、京都議定書の発効などを受け、環境問題の高まりを受け、渋滞問題の解決が社会から求められています。この2つの背景を踏まえて、企業の渋滞対策の事例を調査し、通勤渋滞対策の方向性・あるべき姿を考察する研究に着手しました。 まず、豊田市の渋滞状況から簡単にお話しします。こちらの図は第4回のパーソントリップ調査の結果です。豊田市関連の目的別発着別トリップとその推移を表しています。上段の発時刻で見たピーク率は、朝7時の13.4%で、非常に高い数値となっています。通勤が約半分を占めていまして、朝の通勤による渋滞が1つの大きな課題になっています。下段は豊田市への着時刻で見たものです。ほぼ同じ動きでして、ピーク率は朝8時において14%で高い数値を示しています。■豊田地区における通勤渋滞の発生■豊田地区における通勤渋滞の発生自由業務帰宅登校出勤024681012141634567891011121314151617181920212223012時刻(時)構成比(%)出勤登校帰宅業務自由13.49.1自由業務帰宅登校出勤024681012141634567891011121314151617181920212223012時刻(時)構成比(%)出勤登校帰宅業務自由14.07.8発時刻着時刻図第4回中京都市圏パーソントリップ調査(旧豊田市)図図第4回中京都市圏パーソントリップ調査(旧豊田市)第4回中京都市圏パーソントリップ調査(旧豊田市)01002003004005006007008009001000197019721974197619781980198219841986198819901992199419961998200020022004自動車登録台数(除軽)軽自動車登録台数(除二輪・原付)道路市内実延長 総計豊田市現在市域人口(1970年=100の指数)877480184151図豊田市の自動車登録台数推移・道路実延長・人口の推移(資料)豊田市統計書各年度版図図豊田市の自動車登録台数推移・道路実延長・人口の推移豊田市の自動車登録台数推移・道路実延長・人口の推移(資料)豊田市統計書(資料)豊田市統計書各年度版各年度版 この図は、1970年以降の豊田市の自動車の登録台数と軽自動車の登録台数、道路の実延長の推移です。1970年を100の指数として表しています。ご覧のとおり、軽自動車については1970年の8倍、乗用車についても4倍以上になっています。また、道路実延長の増加推移と比較しても、自動車保有台数が大きく伸びていることがうかがえます。 企業TDM事例調査の対象都市・企業ですが、自動車産業都市である豊田市の通勤渋滞問題の解決につなげることが1つの大きな狙いですので、輸送機器メーカーで、かつ、輸送部門の製造品出荷額が50%以上の自動車産業都市を選定しました。
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