平成18年度 研究成果報告会開催記録
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--44 次は具体的にどの場所で事故対策をしているかです。これは国道153号と県道284号線が交差する本新町5丁目という交差点です。ここでは、右の絵にありますように、右折直進、右に曲がる車と直進車の事故が起きています。東から西、名古屋のほうに向かっていく車と、名古屋から来て南に向かって曲がる車の事故が非常に多いということがこの絵から分かります。追突事故は、名古屋方面に向かっているところで7件、豊田市中心部に向かっているところで2件起きています。どこのポイントでどんな事故形態が起きるかが分かれば、事故対策を集中的かつ効果的にやることができます。 では、どんな対策を打ったらいいか、提案させていただいたのがこの絵です。13対策案提案の例①右折レーンを分離②導流線の設置③交差点標示の再描画④自転車横断帯を設置まず、右折車線です。現在は、直進車線と右折車線がくっついて3車線になっていますので、右折車線を分離します。直進車線と右折車線の間に交通島をつくって分離することによって、右折車から直進車の行動が見やすくなります。これについては、国が平成20年度以降に実現という話を聞いています。また、狭いほうから出て広い道に曲がるとき、右折の停止位置がよく分からないということもありますので、導流線を設置して、ここで止まってほしいという対策を打つこともできます。それから、北側の道路に自転車横断帯をつけたり、見にくい路面表示を変えることによって、歩行者や自転車を守る対策も提案しています。 今年は第8次豊田市交通安全基本計画を策定する年になっています。その中でこのように5つの柱を挙げていますが、最後に調査研究の充実という柱があります。2010年に交通事故による死傷者を20%減らすという目標を立てていますので、その実現のためにも、私どもの研究所もデータ分析も含めながら調査研究を充実していきたいと思っています。14第8次豊田市交通安全基本計画の中で5つの柱•交通安全啓発活動の推進•市民参加型交通安全まちづくりの推進•交通安全施設及び環状道路等幹線道路の整備促進•ITS施策等新技術の積極的な活用交通事故による死傷者20%減2010年交通事故による死傷者50%減2025年•調査研究の充実将来的には50%減という目標も立てています。実現できるかどうかは別にしまして、そのために何をしていかないといけないかということを考えていきたいと思っています。 最後に今後の課題です。15今後の課題と展開•事故データを如何に継続的に収集できるか→警察・行政・研究所・住民の共働•事故要因をデータから推測するための仕組みが構築できるか•評価指標の確立が可能か•小学校や特定の地域で、ヒヤリハットマップを参考に地域の交通安全に対する取組を支援•事故要因分析のため、「人」に関する事故要因特定シミュレーションなどとの連携を強化•インターネットを利用したヒヤリハット地点の収集と配信 事故データは集めるのが非常に大変です。継続的に収集する方法も考えていかないといけないですし、データから事故の要因を推測しながら、どのように活用していくかということもきちっと考えていかないといけないと思っています。また、地域の交通安全対策については、先ほど言いましたヒヤリハットマップなどをつくるとともに、地域の人でワークショップなどを開催しながら、さらにもっと突っ込んでいきたいと思っています。事故要因として
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