平成18年度 研究成果報告会開催記録
32/87
--32そこで豊田市としてはどんな対策をとればよいかという話になるんですが、やはり傷病者を集中させないことが、災害時の傷病者対策の大きなポイントになるかと思います。災害時には多くの傷病者が出る恐れがありますので、それに対応できるような交通インフラの整備が必要です。具体的にはヘリポートを的確に、かつ、迅速に開くこと。それから、応急救護所を市内に展開させる必要があるわけですが、小学校、中学校ではなくて、応急救護所へのアクセスを考え、できるだけ幹線道路沿いに展開させることで災害時医療の混乱を少しでも防ぐことができないかと考察した次第です。 2つ目、ヘリコプターの夜間飛行に関する研究です。Ⅱ.ヘリコプターの夜間飛行に関する研究我が国においてもドクターヘリコプターが各地で運用されるようになり、豊田市域においても、愛知医科大学を基地病院としたドクターヘリが運用されている。全国各地のドクターヘリにおいて夜間飛行は行われていない「救急医療の時間帯格差」が生じていると言え、ドクターヘリの日没後の飛行も視野にいれていくべきと考えられる。わが国においてもドクターヘリコプターが飛び回るようになってきました。各地で10機程度運用されています。本豊田市域においても、長久手町にある愛知医科大学を基地病院としたドクヘリが運用されています。 ところが、愛知県も含めての話ですが、現在のところヘリコプターの夜間飛行は行われていません。降りる場所と飛ぶ場所がしっかりしていれば夜間飛行ができるんですが、今のところリスクが高いということで行われていません。 そうしますと、救急医療の時間帯格差が生じます。例えば、旧稲武地域や旧旭町、旧下山村といったところでは、昼間なら30分以内にドクターヘリが飛んできてくれますが、夜だと、今までどおり救急隊によって豊田市内の病院まで延々と搬送されるという状況が生じています。都心部なら朝昼関係なく素早く病院に運んでもらえます。このように救急医療の時間帯格差が生じていますので、ドクヘリの日没後の飛行も重要なテーマと考えられます。 そこで、本研究では、夜間ランデブーポイントを提案しました。夜間ランデブーポイント我が国におけるドクターヘリの夜間飛行のための「夜間ランデブーポイント」という新しい交通インフラを提案する。豊田市の一部を意識した仮想地域を設定して試算を行い、その必要性や評価の方法について考察した。A地区B地区C地区救命救急センター夜間ランデブーポイントとは、ドクターヘリが夜間飛行を行うための1つのヘリポートです。騒音ができるだけ少ない場所、救急隊のアクセスがいい場所、もちろん夜間での照明を確保できる場所、周辺に高圧線などのヘリコプターの苦手な施設がないことなどが条件になるかと思います。 ただ、こういったものを設けると当然お金もかかるわけですから、本当に有効なのかという検証を行わなければいけません。そこで、その必要性、評価について考えてみました。豊田市の一部を意識したと書いてありますが、仮想足助、稲武、旭町で、救命救急センターは愛知医科大学です。時間期待値の計算結果0102030405060日中のみA地区に設置B地区に設置C地区に設置時間期待値(分)搬送時間期待値KA搬送時間期待値KB搬送時間期待値KC総搬送時間期待値K→夜間ランデブーポイントを1カ所設けるだけで大きく改善される!→より具体的な施設像を考えることが必要 時間期待値という形で、何分ぐらいで各場所に救急隊もしくはドクターヘリが来てくれるかという
元のページ
../index.html#32