平成17年度 研究成果報告会開催記録
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開会あいさつ 太田勝敏(財)豊田都市交通研究所所長 (財)豊田都市交通研究所・所長の太田でございます。本日は、研究報告会を企画しましたところ、こんなに大勢の皆様にご参加いただき、誠にありがとうございます。現在、研究所では安藤研究主席の下に7名の研究員が、都市交通全般にわたる自主研究などを中心に研究を展開しています。そのほか、受託研究として、いくつかの具体的なテーマを受けて研究しています。本日は、研究所の研究報告会という形で、現在取り組んでいる研究の内容、あるいは昨年研究したことなどを皆様にご報告申し上げます。 豊田都市交通研究所では、これまでにも、5周年記念シンポジウム始めとして、研究所主催のシンポジウムの際にも研究員の研究報告をしていますが、今回のように研究員全員が顔を出しての報告会は2回目になります。今回は、研究所の研究企画委員長をお願いしております東京大学の原田昇先生に、「研究所の役割と市民生活への展開」をテーマに特別講演をお願いしています。また、共同研究として、私ども研究員だけではなく、関連している大学の先生や交通を専門に研究している方々と一緒になって研究をしています。本日は、その中から通過交通対策の研究を行っておられます大同工業大学の嶋田喜昭先生にお越しいただいて、「通過交通とドライバーの意識との関連」について報告をお願いしています。今回は研究員の研究報告という形で、短い時間ですが、研究所の最近の研究がどのようなものであるかをご理解いただければと思います。 この際ですから、私どもの近況を申し上げます。ご承知のように、私どもの研究所は地方都市豊田市にある公的な研究組織として、トヨタ自動車など民間のご協力を得まして、特に地方都市の交通やまちづくりをメインテーマに研究を進めています。 豊田市は、交通にかかわるまちづくりの進め方や交通整備のあり方について研究を進めたいということで、従来は交通モデル都市という言い方をしていましたが、以前からそのような新しい試みも積極的に取り組んできました。研究所としては、できれば豊田市を交通の面から優れたまちにしていきたい、そんなお手伝いができればと希望しております。 研究所のもう1つの柱は、このような研究を通して、日本のいろいろな都市の自治体の方や研究者の方に情報発信していくことです。そして、アジアの都市をはじめとして世界にも発信していきたいということで、国際的発信も1つの大きな柱にして研究活動を進めていく努力もしています。 当座の主要な研究テーマはITS(高度道路交通システム)です。昨年、名古屋でITS世界会議が開催されましたが、ITSは新しい情報ツールを使った応用技術として、新しい交通の世界が開かれるのではないかということで、交通問題の改善にいろいろな可能性を生み出しています。私ども研究所でも、昨年の夏にオープンした豊田市ITS情報センター「みちナビとよた」の指定管理者として、公共交通を含めた情報提供ということでお手伝いさせていただいております。 ITS関連以外では、公共交通も大変な問題を抱えています。規制緩和や高齢化、モータリゼーションの中で、国として公共交通をどう考えていくのか、障害者や高齢者をはじめとして、皆

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