平成17年度 研究成果報告会開催記録
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-29- 講評 原田 昇 研究企画委員長・東京大学大学院教授 研究所の関係者が講評するとお手盛りみたいなので、やめたほうがいいと言ったのですが、お疲れのところもうしばらくお付き合いください。 安藤さんの発表は研究活動報告なので、これにどうのこうのと言っても仕方がありません。 山崎さんの発表は、鉄道廃止代替バスの大幅な利用者減少はなぜ起きているかということです。サービスレベルは同じですが、利用者が非常に減っているということです。廃止前の鉄道利用者の構成は調査によると、通学が37%、60歳代以上が41%となっている。しかし、研究の肝心な部分、新しくなったバスを誰がどのように利用するかはこれから調べるということです。ライフスタイルの変化について、高校の新入生と上級生との相違に着目してやるということと、バスには、通勤通学の手段として、あるところに行きたいというのと、生活交通として、多少寄り道して時間がかかってもバス停が近くにあるほうがいいという2つの役割があると思います。少し触れていましたが、そこをしっかり分けてやっていただきたいと思います。 次に、豊田市の交通事故データ分析ですが、手作業で大変だということですが、事故データの実態分析は非常に重要なので、それを広く活用できるようにするべきだと思います。GISで処理したデータでこんなことができるというのを具体的に示した上で、その処理コストをどこからかひねり出して、データを整理する方向がいいと思いました。 そして、事故の削減にどう活用するかが重要。GISでどこで事故が起きたか調査する一方で、なぜ事故が起きたかが大切。事故の理由には、変な運転したとか、酔っていたという人的要因もあるかもしれませんが、夕日がまぶしくて何かが見えなかったとか、木が生い茂っていて見えるはずの車が見えなかったとか、あるいは子どもの視点から見たら標識が見えなかったという物理的な理由もあります。それらをGISのデータとぶつければ、統計的に何か提案できるのではないかと思います。交通事故の削減のために、そのような方向へ行ってほしいと思います。 次に、TDM研究会の積極的な取り組みということで大規模にやったわけですが、横で見ていた感じでは評価フレームを十分に検討する時間がなかったという感じで、評価フレームはまだ不十分かと思います。行動変化だけではなくて、どのようにして車に対する意識、交通行動に対す②②利用者意識からみた鉄道とバス利用者意識からみた鉄道とバスの比較の比較山﨑山﨑鉄道廃止代替バスの大幅な利用者減はなぜかサービスレベル(時間と費用)は同程度鉄道利用者は、通学37%、60代以上41%仮説を立て、それを検証するための調査を予定新入生と上級生との相違に着目「通勤・通学」交通と「高齢者の生活」交通を峻別③③豊田市の交通事故データ分析豊田市の交通事故データ分析増岡増岡事故データの実態分析として重要まず、実態分析成果を広く活用できるようにGIS処理データの有効性を早く示すべき事故の削減に、どう活かすのか増加傾向にある事故への対策を提言したいGPSに加えて、事故の理由データを揃えたい(人的要因以外の理由を取り込む方向で)

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