平成17年度 研究成果報告会開催記録
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-14- Aグループの利益追求するドライバーは、抜け道を「よく・必ず利用する」割合が高いということが分かりました。 続いて、この関連をさらに確認しようということで、共分散構造分析を行っています。先ほど求めた運転特性の潜在要因「利益追求」「安全志向」「自己中心」という3つの因子とアンケートで聞いた項目についてパス図をつくって、これらが抜け道利用頻度にどのように影響しているかというモデルをつくりました。その結果がこういうものとなっています。このモデルが完全とは言えませんが、利益追求という運転特性が抜け道利用頻度にかかわっていることは明らかです。一方、安全志向、自己中心的な運転特性はあまり影響していないということが分かります。 また、抜け道の視覚的認知と利用実態について分析しました。抜け道は非幹線道路で裏通りと言われているものですが、裏通りか表通りか、すなわち幹線道路か非幹線道路かという視覚的認知に、ドライバー間で差があるのかを分析しました。12枚の道路写真を提示して、それぞれの道路を裏通りと認めるか、表通りと認めるかを聞いています。 その結果、これら(1)の道路については9割以上のドライバーが裏通りと答えています。特徴として、幅員が狭く、沿道に住宅がある道路で、妥当な結果と言えます。逆に、これら(2)の道路は9割以上のドライバーが表通り、幹線道路と答えています。特徴としては中央線や分離帯があったり、多車線であったりということで、これも妥当だと思われます。 ただ、あいまいなものもあって、先ほど原田先生のほうからもご紹介があったのですが、中央グループ別抜け道利用頻度グループ別抜け道利用頻度44%17%55%51%70%44%5%13%1%0%20%40%60%80%100%CBA必ず・よく利用たまに利用利用しない時間短縮を期待する「利益追求型」ドライバーほど抜け道を利用する抜け道利用頻度の因果構造抜け道利用頻度の因果構造•共分散構造分析「抜け道利用頻度」にどのように影響しているか?・運転特性の潜在要因「利益追求」「安全指向」「自己中心」・渋滞・抜け道箇所認知度などでパス図を作成共分散構造モデル共分散構造モデル.35*.02.58*-.32*.56*.34*.59*.31*.49*.61*.79*.18*.67*.63*利益追求自己中心安全指向時間短縮の意識狭い道路は使わない抜け道利用は仕方ない知らない道路は使わない動ける道路を使う進路を譲る黄色は進むぼーと運転割り込みをさせない抜け道利用頻度抜け道箇所認知数渋滞箇所認知数.07住宅街では注意看板をみて減速信号待ちは嫌.46*.39*.47*注)*は1%有意CFI=0.730.67*利益追求抜け道の視覚的認知と利用実態抜け道の視覚的認知と利用実態道路の物理的環境による道路ランク(幹線道路or非幹線道路)の認知の差を検討・・・12枚の道路写真を提示し、表通り(幹線道路)であるか裏通り(非幹線道路)であるかを聞いた抜け道(非幹線道路)の視覚的認知にはドライバー間で差があるのか?<12枚の道路写真>

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