平成17年度 研究成果報告会開催記録
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-3- かなか手に入らないため分析がしにくいのですが、豊田都市交通研究所は豊田市の研究所ということで、豊田市や警察のご協力を得ながら、平成6年度からデータ解析を行っています。第2部で研究員から内容報告があります。 次に、TDM社会実験ですが、16年度に6,000人規模のTDM社会実験をやりました。豊田市の中心市街地とトヨタ自動車本社地区の自動車通勤者を対象に実施しました。これは分析の一部ですが、詳細は後で研究員が発表します。 最後は、中心市街地玄関口バスです。玄関口まで来るということで利用者には非常に好評ですが、これも研究所で利用者意識調査を実施し、今後のあり方等を検討しています。ご紹介したのは一部ですが、研究所の取組としてこのようなことをやっています。 以上が第一部で、豊田都市交通研究所が何を研究しているのか簡単にご紹介しました。 次に、第二部、役割についてお話しします。「豊田市を交通モデル都市に」というのが一番分かりやすいキャッチフレーズではないかと私は理解しています。「交通モデル都市に」ということであれば、いろいろな政策の目標、最近の都市交通の分野では、持続可能な発展あるいはサステイナビリティーということで、経済、環境、社会という3つのEにかかわって複雑に絡んでいる問題を解き明かすような交通戦略や環境戦略が必要だといわれています。 具体的に地方都市で展開するときには、将来どういう都市にしたいのか、そこでどんな生活をしたいのか、どんな手段で移動して、どんなサービスを手に入れたいのか、そのサービスレベルをどれぐらいにしたらいいのか、それをどれぐらいの予算でやろうかという方向性が重要です。先ほど菊地助役さんから説明がありましたが、公共交通と自動車の割合を1対9から2対8にして構造転換を図るというのは1つの例です。公共交通を重視した形で行くということに合意がとられるというのが、非常に重要なことです。したがって、1枚前の内容が非常に重要で、まちを住みやすくするという目標に合意がなされ、そのために何をやればいいのかということを皆さんが考えて、行政も企業も市民もそれに向かって動いていけば、結果的に混雑も緩和されてくるし、大気汚染も削減されることになります。そして、生活の質の向上やまちの活性化などが図られることになります。これを「交通まちづくり」といいます。「交通まちづくり」は新しい言葉なので、人によって使い方が違うかもしれませんが、単純に交通のことだけを考えるのではなく、交通を使って実現される生活の質やまちの活性化に結び付けて議論することが大切で、むしろ、生活の質の向上やまちの活性化を目指して交通のことを考えるということです。これを目標に議論すれば、企業や市民の方々も議論に参加してくれるのではないかと期待できます。 これからは、「豊田市交通まちづくり」への取り組み方が重要であるということです。本当に皆豊田市を「交通モデル都市」に豊田市を「交通モデル都市」に第二部役割ECONOMY経済ENVIRONMENT環境SOCIETY社会Traffic Congestion 道路混雑Traffic Accidents交通事故Inefficient land use非効率な土地利用Global Warming Gas地球温暖化ガスAir Pollution大気汚染Noise騒音Social Exclusion社会的排除Financial failure財政破綻Decline of the center都心の衰退「持続可能な発展」=バランスの取れた開発豊田市を「交通モデル都市」に豊田市を「交通モデル都市」に第二部役割Comprehensive sustainabilityENVIRONMENTSOCIETYECONOMY環境保全と再生社会的公平と厚生経済発展と活力活力あるコミュニティ社会的経済的公平性持続可能な開発社会的参加コミュニティ公共的安全輸送費用インフラ費用非効率な土地利用地球温暖化大気汚染資源の枯渇
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