2 運転免許統計令和3年版(警察庁交通局運転免許課) 図 1-2 運転免許証保有者数と教習指導員数の推移2 2 口もやや増加傾向であることを考えると,それに伴って高齢者講習等を実施する現場の人員も増加することが望ましいが,実際の指導員の数に増加は認められない (図1-2).そのため,現場の業務負担が大きいことに加えて,地域によっては運転免許更新を希望する高齢ドライバーの講習の予約が取りにくい (豊田市内の自動車学校では3月時点で5月下旬以降) という問題も発生している. 運転免許更新時に実施される手続きのうち,高齢者講習は講義,運転適性検査,実車指導で構成され,高齢ドライバーに心身の状態の変化の理解と運転能力や技術水準の自覚を促し,必要な助言や指導を受けることを目的としている.そのため,運転適性検査や実車指導の結果が運転免許更新の可否に影響するわけではない.高齢者講習と同じタイミングで実施される認知機能検査は,その成績によって医療機関の受診が求められ,運転免許の取り消しや停止に至る場合もある.しかし,認知機能検査は,指定期間内に取得された医師の診断書によって免除が認められている.この取り組みは,目的を達成するならば,自動車教習所や運転免許センターでの手続きを省略できることを意味している.これが高齢者講習の内容にも当てはまるならば,別の手段に置き換えることで,講習に係る現場のコストを縮小できるかもしれない. たとえば,高齢者講習の実車指導は,新設された運転技能検査と同様,教習所等の特定のコースを走行し,運転技能を評価するものである.所要時間は約1時間と高齢者講習2時間の大部分を占めるため,映像教材を視聴するなど待ち時間の有効活用が試みられている.シミュレータでの実施も例外的に認められていることを考えると,運転免許証の更新可否に関わり,一律の実施方法が求めら
元のページ ../index.html#7