高齢ドライバーの人間特性と運転行動を考慮した危険事象の推定
36/40

31 する場合には,個人間の差異が顕著に表れる長期間データを利用することが推奨される.本研究では,予測という観点からデータ収集期間による違いを検討したところ,2週間や1か月のデータはRDEを過少に推定するが,3か月のデータは6か月や12か月に近い予測結果を算出することが示された.このことから,少なくとも予測という観点においては,3か月以上の運転モニタリングデータが必要であるといえよう. 一方,データ収集時期については,月ごとのRDE件数に差は認められなかったため,異なる時期にRDEを取得しても同等に取り扱い,比較可能であることが示唆された.ただし,走行距離は月によって異なる可能性があるため,異なる時期のRDEを比較する際には走行距離や運転日数などの運転習慣を考慮する必要があると考えられる.そのため,RDE等の危険事象を調整する運転習慣の情報が得られない場合や運転制限との関係を探る場合には,慎重にデータを解釈すべきであろう.

元のページ  ../index.html#36

このブックを見る