これからの「生活道路」空間マネジメントに関する研究
3/54

研究分野 業務類型 研究題目または 報告書タイトル 研究の背景・内容 研究結果・ 得られた知見等 研究成果の社会への貢献、報告、技術的特徴等*予定含む 所内の担当者氏名・ 担当者 協力先名 問題点・課題・今後の研究予定・その他 関連論文(2022年度) 多様な主体が利用する生活道路では,様々な主体の行動をいかに安全側へ促せるかが重要な視点となる.国土交通省,警察庁は,物理デバイスの導入を前提とする「ゾーン30プラス」の検討を進めているが,それは交通規制単独での実効性への懸念が背景にある.豊田市内でも住民が実効性の懸念からゾーン30の在り方に対しての対応を検討し始めている地区(井郷)もあるなど,居住者の身近な道路という観点からの空間整備の合意形成や維持管理を含めた議論もある.「みち」の在り方のダイナミズムのなかでも,いわゆる「生活道路の空間マネジメントの在り方」への希求が今まさに求められているのではないか.面的速度マネジメントなどの過去の成果を振り返りつつ,これからの豊田市におけるあるべき生活道路像を目指すための基礎的な検討を進めることは,意義がある.本研究は,これまでの生活道路対策,なかでも広く普及するゾーン30に主眼を置き,これからの豊田市における安全・安心かつ持続可能な「生活道路」空間マネジメントに関する基礎的な考察をすることを目的としている. (1)生活道路空間の整備に関する既往研究の整理 特にゾーン対策を中心とする生活道路空間の整備に関する既往研究を整理した.結果,我が国ではゾーン30およびコミュニティゾーン整備に係る研究蓄積が多いこと,コミュニティゾーンを対象とした研究では住民参加,住民意識について分析したものが多い一方,ゾーン30を対象とした研究では蓄積が少ないことを示した. (2)対策実施にかかるプロセスの把握 ゾーン30を事例にエリア指定,物理デバイスの導入にかかるプロセスの実態について,愛知県内の中核市の道路管理者・交通管理者へのヒアリングを通じて整理した.結果,整備目標年次(H28年末)までは警察発意の指定が多く,それ以降も継続的にエリア指定を行うのは住民発意の例が多いことを示した. (3)生活道路に対する住民意識の把握 道路整備・管理に対する地方都市住民意識調査の結果を用い,生活道路に対する住民意識を把握した.結果,地方都市に住む住民は,生活道路の価値として,安全・安心,交通弱者の使いやすさ・通りやすさを重視している一方,これらの価値に対する意識の高さが,行政主導で維持管理すべきとする意向の高さと相関することを示した. (4)生活道路空間マネジメントの在り方に関する考察 上記の成果を踏まえ,豊田市における「生活道路」空間マネジメントの在り方について考察した. ・ゾーン30プラスといった新たな生活道路整備推進にあたっての参考資料を提供 三村泰広 共同研究者:豊田工業高等専門学校山岡俊一教授 協力依頼先:愛知県警察交通部交通規制課,豊田市社会部交通安全防犯課,一宮市まちづくり部地域交通課,豊橋市建設部道路維持課,岡崎市市民安全部防犯交通安全課 ヒアリング ・三村泰広, 山岡俊一, 富永哲史, 地方都市における道路種別と地域性からみた道路維持管理の住民意識に関する研究, 土木計画学研究・講演集, Vol.65 , 2022 ・三村泰広, ⼭岡俊⼀, 富永哲史, 地⽅都市の⽣活道路の価値に対する住⺠意識に関する研究:道路整備・維持管理における当事者意識の醸成に向けて, 土木計画学研究・講演集, Vol.66 , 2022 1暮らしを支える交通、2.都市空間を創出する交通、3.交通の安全・安心 1.調査、2解析、3.政策検討、4.その他 これからの「生活道路」空間マネジメントに関する研究 2022年度 自主研究概要 報告者:三村泰広

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る