これからの「生活道路」空間マネジメントに関する研究
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(1)ゾーン30整備の傾向 図 3-1 年度別ゾーン30の整備状況1) 21 通事故が少ない,ゾーン30の整備が求められるような市街地が小さい−であるのか,それ以外の要因が影響−例えば,指摘のあった道路管理者側の熱意や地域住民の特徴(保守的である,など)−の可能性があるのかについて分析する意義は少なくないであろう. また,ゾーン対策に対する住民発意が生じやすい箇所として「既存指定エリアの隣接地」といった指摘があった.この実態を確認することによって,住民発意が生じる理由の一因を証明することができるのではないかと考える. 以下では,上記の整理を踏まえ,「ゾーン30整備の傾向」,「整備目標年前後での傾向」,「指定箇所の傾向」の観点から整備エリアの分析を行う. 図 3-1に警察庁公表数1)をベースとした年度別ゾーン30の整備状況を示す.整備数の全体傾向は,全国,愛知県ともに大きな差はみられない.ただし,愛知県は特に2012年の整備数が比較的多い傾向がみられる.全体として,整備目標年前後での整備数に大きな差が生じている.愛知県の場合,整備目標年前後で,整備箇所数が80%以上(整備目標年前平均42.6箇所,整備目標年後平均7.4箇所)下落している.これは,全国平均の下落幅約65%(整備目標年前平均609.4箇所,整備目標年後平均216.4箇所)より大きい傾向にある.

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