歩車分離信号の効果に関する研究
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1 歩車分離式信号に関する指針,2019年3月20日,警察庁交通局 2 令和3年度 第2回豊田市都市計画審議会会議録;都心環境計画,2016年3月,い交差点、右左折自動車が多い交差点、と専用左折または専用右折車線がない交差点において、歩車分離の導入により歩行者が右左折自動車の進行を阻害させずため、待ち時間を減少する可能性もある。一つの交差点を対象とした歩車分離の導入に従って交通条件により平均待ち時間の変化を明らかにする既往研究がある一方、隣接している二つ以上の交差点(以下、交差点群と略称)に同時に歩車分離を導入した場合の効果に関する研究は先行研究において報告されていない。 本研究は上記の背景を踏まえて、歩車分離を導入した交差点群における交通円滑面の考察を行う。歩車分離導入交差点数の敏感度分析や制御形式組合せの敏感度分析をはじめに、系統制御に伴う影響や系統制御における平均遅延時間変化の敏感因子に関する分析、最後には一つの交差点を対象とした研究と同様に交通条件の敏感度分析と三つの内容に焦点を当てて検討する。それぞれ歩車分離導入交差点数及び制御形式組合せと交通円滑性の関係を明らかにすること、歩車分離導入の場合に系統制御の要素と交通円滑性の関係を明らかにすること、と交差点群に歩車分離の導入により円滑性に与えるネガティブな影響がない限界条件を明らかにすることを目的とする。歩車分離の方式1は4つがあり、本研究は歩行者専用現示方式を対象とする。 対象交差点の選定について、必要性の観点から、「愛交安」を参考に横断歩道横断中事故等が多発する交差点、通学路に該当する交差点、加えて、歩行者交通量が多い駅徒歩圏2の1km半径範囲に当たる交差点を条件として選定する。以上の選定結果に基づいて、ヒアリングを通じて、特に地元からの要望がある交差点を含まれている交差点群を選定する。 交差点における交通円滑面の評価指標は平均遅延時間、平均待ち時間、渋滞長、滞留長、トリップ所要時間などがある。本研究は交差点群を対象とするため、一つの交差点を通過した交通流の平均遅延時間ではなく、対象交差点群のいずれかの交差点を通過した交通流のトリップ平均遅延時間を評価指標とする。 豊田市;都心環境ビジョン,2015年1月,豊田市 2

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