歩車分離信号の効果に関する研究
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表 6-8のように六つのシナリオを想定する。シナリオ1-1、1-2、1-3は、対象となる3つの交差点のそれぞれに歩車分離を導入するシナリオであり、シナリオ1-4、1-5は3つの交差点の中で隣接している2つの交差点の組み合わせに対して導入するシナリオである。最後のシナリオ1-6では、3つの交差点すべてに歩車分離を導入するシナリオとなっている。 各シナリオのシミュレーション結果は表 6-9で示す。自動車の平均遅延時間に関して、全てのシナリオにおいて現状に比べて増加している。ただし、導入交差点数の増加に比例するわけではなく、以下のような特徴がある。①シナリオ1-4とシナリオ1-5はともに2つの交差点を導入しているが、系統制御を行うシナリオ1-5の方は増加幅が大きい。②3つの交差点を導入するシナリオ1-6は、2つの交差点を導入するシナリオ1- 表 6-8 歩車分離導入交差点数と円滑性の関係を検証するため想定のシナリオ シナリオ番号 導入対象交差点1 導入対象交差点2 導入対象交差点3 中町蔵前 中町中郷 竹元町荒子 中町蔵前 中町中郷 中町蔵前 中町中郷 竹元町荒子 中町中郷 竹元町荒子 6.2 交差点群に歩車分離導入の効果について 歩車分離が設置されると、一定の歩行者交通量以下または一定の自動車右左折交通量以下を条件としては、安全性への正の効果や円滑性への負の効果がある。安全性については、物理的に自動車と歩行者の交錯をゼロにするため、安全性を向上する。円滑性については、自動車の青時間が短くなることがある。その結果、自動車の待ち時間が増え、渋滞が発生しやすい。また、歩行者の青時間が短くなる場合もあり、歩行者の待ち時間が長くなる可能性がある。以前、一つの交差点への導入効果を検証する研究があるが、二つ以上の交差点へ導入する場合の効果検証はない。安全性への正の効果と歩車分離導入交差点数の関係については、仮に正の効果を合算することを想定する。円滑性への負の効果と歩車分離導入交差点数の関係については、ここで検証する。 1-1 1-2 1-3 1-4 1-5 1-6 32

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