歩車分離信号の効果に関する研究
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3.1 対象交差点の選定について 3. 対象交差点群の選定及び交通調査 歩車分離が初めて導入された当時は、主な目的は交通事故の防止や歩行者の安全確保など交通安全の向上である。歩車分離が導入される交差点群については、交通事故の多発する場所や歩行者の通行量が多い場所など、安全性を向上させる必要があると判断された場所が選定される。歩車分離の導入には多くのコストや時間がかかるため、選定には慎重に検討が行われる。選定の母集団は豊田市におけるすべての信号交差点で、選定の仕組みは図 3-1で示す。 ステップ1の詳細について、図 3-2に展開される。地図データ及び豊田市2015~2020当事者別事故データ(以下、事故データと略称)の時空間データを用いて選定を行う。はじめに、歩車分離導入必要性の観点で、条件1や条件2-1で選定。特に下記の2点を考慮。1点目、歩行者が多い条件について、空間や時間を分けて絞る。1-1空間的には、地図データから1-1-1駅を中心として1km半径範囲または1-1-2小学校あるいは中学校の通学路を条件とする。1-2時間的には、事故データから歩行者が多い昼間5時~20時で発生した事故を抽出。2点目、自転車も横断歩道の利用方をとし、2-1-2当事者が自転車である車両相互事故も計上している。そして、対象の歩車分離方式は歩行者専用現示なら、交通容量に余裕のある交差点に導入することが望ましいことを踏まえて、この方式に適用される交差点幾何構造を考慮し、2-2交差点サイズの中中以下で選定。さらに、研究対象は二つ以上隣接している交差点群のため、2-3で交差点群を抽出。最後には、事故データの交差点サイズと実際車道幅員が異なる箇所があるため、2-4でグーグルマップの距離測定ツールを用いた車道幅員を再確認。各選定条件の論理関係は図 3-4から確認できる。 6

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