歩車分離信号の効果に関する研究
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表 2-1 既往研究一覧表 ○ ○ 安全性に関する実測研究について、佐々木ら(2002)は1つの歩車分離の導入前後、歩行者とドライバーの意識調査を行った。高齢者と子供の安心感は増えたことを明らかにした。齋藤ら(2003)は1つのスクランブル式と1つの歩行者先行信号の導入前後、錯綜回数、円滑性と信号無視の誘発を分けて分析した。錯綜回数が90%減少されたこと、や信号無視の発生の大きな変化も見られなかったことを明らかにした。吉田ら(2003)は3つの交差点に導入前後、歩行者とドライバーの意識調査を行った。歩行者は交錯回数が減少と感じた。ドライバーから事故削減効果が確認できた。雨宮・尾崎(2004)は歩行者や自動車の完全分離ではなく一部分離する形の歩車分離が導入された事故多発交差点を調査対象にし、導入実施前後の歩行者事故の多発交差点の定性的な比較分析、交通状況の定量的な比較分析を行った。錯綜回数は若干の減少傾向を見ることができた。阿部(2005)は2つの交差点に歩車分離導入前後、実測調査による分析を行った。交錯回数は9割強減少したが、歩行者は平均遅延時間の増加により信号無視率も増加した。鈴木ら(2009)は右左折車両分離方式の歩車分離が導入された大規模交差点で調査を行い,円滑性と安全性を考慮した貨幣換算による歩車分離の効果を検討していた。交錯リスクが90%以上減少と確認できた。鈴木ら(2010)は右左折著者 佐々木ら 斎藤ら 吉田ら 雨宮・尾崎 阿部 小川・川居 鈴木ら 鈴木ら 張・中村 発表年度 安全性 予測 実測 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 円滑性 実測 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 予測 2. 既往研究のレビュー 歩車分離の効果に関する研究における研究視点については、主に安全性や円滑性の二つから研究を行う。研究方法については、実測と予測の両方があるが、既往研究の中に実測研究が多数。研究視点や研究方法それぞれについてレビューした結果は、以下の通り。各研究の分類は表 2-1に一覧表で示している。 TTRI 2002 2003 2003 2004 2005 2008 2009 2010 2017 2021 3

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