6. まとめ 48 た変化として、WPSデータを用いた分析結果とKLAデータを用いた分析結果を総合すると、T-FACE A館への来訪者は、リニューアルオープン直後においては、松坂屋豊田店閉店た。ただし、最寄り駐車場であるTM若宮駐車場とT-FACE A館との間の回遊は、松坂屋閉店前と比べてやや減少していることから、自動車での来訪者は減少した可能性があることが確認された。また、来訪者数としては松坂屋閉店前と同程度の水準であったものの、来訪者の年齢階層に着目すると、松坂屋閉店前に特に多かった客層である60代・70代の来訪者が減少した可能性があることも確認された。一方で、特に夕方以降の時間帯においては松坂屋閉店前に比べて20代・30代・40代の来訪者が増加した可能性があることも確認された。 豊田市駅西側ペデストリアンデッキの来訪者は、T-FACE A館(1階~6階)がリニューアルオープンした後でも来訪者の増加は確認されず、むしろ松坂屋閉店以降は減少傾向であったことが確認された。これは、コロナ禍を受けたコロナ禍を受けたリモートワークの普及等により、主要な通勤者が減少したことによる影響が大きかったものと考えられる。また、豊田市駅の東側である喜多町2丁目交差点では松坂屋閉店後もT-FACE A館(1階~6階)リニューアルオープン後も来訪者数に大きな変化が見られなかったことが確認された。当該箇所も通勤軸に位置しているが、こちらは豊田市役所等、リモートワークの影響を受けにくい通勤者が多いために豊田市駅西側のペデストリアンデッキで見られたような来訪者数の減少は見られず、一定範囲での変動を示した可能性があると考えられる。このことは同時に、T-FACE A館(1階~6階)のリニューアルオープンは豊田市駅東側の来訪者数を増加させるような影響は少なかった可能性があると考えられる。 閉店前と同程度の水準に回復、KiTARA(商業・業務棟)との回遊は松坂屋閉店前に比べて増加した可能性があることがそれぞれ確認された。参合館については、図書館とT-FACE A館双方を訪れていた人が、T-FACE A館(1階~6階)が再び営業を開始したことで戻ってきた可能性が考えられる。一方、KiTARAについては、リニューアル後のT-FACE A館来訪者の客層として20代・30代・40代が増加したことが影響した可能性が考えられる。 本研究では、以上のような人流データそのものや、分析結果の将来的な活用の可能性を広げることを目的として、BIツールを用いたWPSデータの可視化・共有環境の構築にも取組んだ。試作段階ではるが、すでに一部の関係者との間で試験的な利用を開始しており、フィードバックを受けながら今後改良を実施していく予定である。 2022年3月及び4月のT-FAEC A館(1階~6階)のリニューアルオープンにより生じ前3ヶ月間(以下、松坂屋閉店前)と同程度の水準であった可能性があることが確認されT-FACE A館周辺の状況に目を向けると、通勤軸である新豊田駅~豊田市駅間に位置するT-FACE A館と周辺施設等との回遊状況の変化に目を向けると、参合館との回遊は松坂屋
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