利用者の個人差を考慮した高齢者のMaaSに対する利用意向に関する調査研究
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4-1 本研究による成果 本研究では、高齢者を対象としたMaaSの受容性を向上させるための方策検討に向けて、高齢者のデジタル・ディバイド実態や解決策を把握するとともに、利用者の個人差を考慮しじて得られた成果を以下に整理する。 第2章では、高齢者のデジタル・ディバイド問題の実態及び解決策を整理した。また、日本国におけるMaaS実証実験事例から整理した結果として、高齢者を対象としたMaaS利用の問題が存在していることを明らかにした。 第3章では、当研究所の先行研究で得られたWEBアンケート調査データを用いて、利用者の個人差を考慮した行動分析モデルの構築を通じて、MaaS利用意向に影響を与える要因を把握した。 4-2 調査結果を踏まえた方策提案 本研究の調査結果を踏まえて、高齢者を対象としたMaaS利用促進に向けた方策提案内容を次に整理する。 第2章の現状整理結果から、高齢者を対象としたMaaSを提供する際、交通サービスの提供にもとどまらず、非交通サービスの提供も望まれる。例えば、薬や生活必需品等の買物代行・宅配サービスや、見守り・安否確認サービスの提供は候補内容となる。 第3章のアンケート分析結果から、65歳以上の高齢者は非高齢者と比較して、MaaSサービスプランを利用したい傾向があるため、MaaSは高齢者にとって望ましい交通手段と考えられる。このため、MaaS実現に向けた課題として、デジタル・ディバイドの解消に向けた方策の検討が必要である。例えば、高齢者を対象としたスマートフォン利用の熟練度を向上させることが望ましい。 第3章のアンケート分析結果から、MaaSに対する認知度が高い方は、MaaSサービスプランを利用したい傾向があるため、MaaSの利用促進に向けて、認知度を向上させることが重要である。例えば、新聞やメディアなどを通じて、MaaSサービスのメリットなどを周知することが望ましい。 4. おわりに たMaaS利用意向の影響要因を明らかにすることを目的として実施した。本研究の実施を通19

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