利用者の個人差を考慮した高齢者のMaaSに対する利用意向に関する調査研究
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図 2-1 インターネットの利用率・機器保有率 2. 現状整理・文献調査 本章は、高齢者のデジタル・ディバイド問題、および、日本国におけるMaaS実証実験事例から高齢者を対象とした交通サービスの提供内容及び効果の整理結果を述べる。 2-1 高齢者のデジタル・ディバイド問題 高齢者のデジタル・ディバイド問題は、高齢者は非高齢者と比較して、インターネットを使いこなせないこと、デジタル機器保有率が低いこと、および、キャッシュレス決済の利用意向が高くないことを意味する。 インターネット利用率および利用機器保有率の実態を図 2-1に示す。その結果、65~79歳では、インターネット利用率、スマートフォンの保有率はともに国民全体の指標に及ばないが、ほぼ6割以上であることが示された。 また、年齢層別のキャッシュレス利用率を図 2-2に示す。そして、内容別のキャッシュレス利用率を図 2-3に示す。 これらの結果から、高齢者を対象としたMaaS利用を促進させるための前提条件として、インターネット機器の保有率およびキャッシュレス決済の使用率の問題は、80歳未満の対象として大きな問題ではない点がわかる。一方で、80歳以上の方では、インターネット利用率は低いため、MaaS利用需要を向上させることは困難であると考えられる。 6

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