コロナ禍が豊田市の都市交通に与える影響のモニタリング
68/121

※拡大後のカテゴリ別回答割合(項目ごとに合計すると1) ※単位:日/月 ※実サンプルにより算定 (2)市民参加の変化と生きがい コロナ禍は、ソーシャル・キャピタルとしての市民参加の在り様に少なくない形で影響を与えており、それらには一定の傾向があることを確認してきた。以下では、このような市民参加の変化が、市民の生きがいといった、より意識レベルに近い、人間としての生きる活力の源泉を成す概念にどのような影響を与えているのかについて整理する。 生きがいは、上述のようにIkigai9にて導出した結果を用いる。まず、全体の傾向について、表 4-9に示す。全体的に市民参加が「減った」群の総得点が高く、「変わらない」群の総得点が低い。市民参加が「減った」群は、いずれの下位尺度においても得点が最も高いことがわかる。これは、市民参加を外部状況の変化(コロナ禍)に併せて能動的に「減らせる」方は、主体的に行動できる方であるとも考えられ、そのような方お生きがいが高くなりやすい傾向を表出している可能性がある。 コロナ禍前後での傾向をみると、総得点は、コロナ禍後増加傾向にあるが、市民活動が「減った」群ではその増加幅が小さい。また、「未来に対する積極的・肯定的姿勢」はいずれの群でも改善が乏しい。市民活動が減った群は、他の群と比べ「自己存在の意味の認識」がコロナ禍後の変化が乏しい。市民活動が増えた群は特に「生活・人生に対する楽観的・肯定的感情」がコロナ禍後に徐々に高まっていることがわかる。 表 4-8 市民参加の変化と外出頻度の変化の関係 62

元のページ  ../index.html#68

このブックを見る