徴等 *予定含む コロナウィルスの影響が人々の想像を超えて長期化している。この変化がもたらした都市交通への影響は徐々に明らかになっている。例えば、ビジネス活動のサイバー空間への代替、それに伴う公共交通の利用減が報告されているが、この変化はコロナ禍前には戻らないであろうと言った懸念も併せて報告されている。R3年度の調査では、豊田市内主要道路における自動車交通量の減少傾向が見られている。この変化は交通事故の発生傾向に少なくない影響をもたらすことが予想されるし、それを踏まえた地方都市、豊田市における交通安全施策の方向性を議論する意義は少なくない。コロナ禍は地域における市民活動も様変わりさせている。当該活動の変化が住民の社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)に与える影響は容易に想定できる。このような背景の下、豊田市における都市交通へのコロナ禍の影響を多様かつ長期的観点から把握しておくことは、今後、コロナとの共存や克服を前提としたあるべき都市交通政策を打ち出すうえで重要である。本研究は、令和3年度に引き続き、コロナ禍が都市交通に与える影響をモニタリングすることで、将来にわたり生じようとしている都市交通上の課題を確認・整理し、With/Afterコロナ時代における豊田市の都市交通政策の方向性を提言しようとする。実施内容は以下のとおり。 (1)交通実態のモニタリング (2)地域・イベント実態のモニタリング (3)暮らしのモニタリング (4)モニタリング結果を踏まえた豊田市の都市交通に対する提言 (1)交通実態のモニタリング 主に自動車交通の実態についてJATIC渋滞統計システムの活用を通じて整理した。結果、豊田市内でのコロナ禍における特定路線での渋滞発生傾向等を示した。また、豊田市内の交通事故実態について、愛知県警提供データ、警察庁オープンデータ等を活用し整理した。結果、コロナ禍において出会い頭事故、追突事故に特徴的傾向があることを示した。 (2)地域・イベント実態のモニタリング 市内の社会福祉法人ならびにR3意識調査回答者へのパネル調査結果を通じてイベント、市民参加の実態について整理した。結果、社会福祉法人が主催する活動数は概ね戻りつつあるものの、子育て関連の活動は停滞したままであること、市民活動への住民の参加頻度は減少しているもののこれも内容による違いがみられることを示した。 (3)暮らしのモニタリング R3意識調査回答者へのパネル調査結果を通じて、活動時間、交通、希望居住地、中心市街地来訪の実態や、在宅勤務、利用交通手段の変化とその影響要因について整理・分析した。結果、在宅勤務実施者は当該日に外出を控える傾向にあること、公共交通以外の手段に転換した方の中でも、女性は戻る意思が低いことを示した。 (4)モニタリング結果を踏まえた豊田市の都市交通に対する提言 上記の結果を踏まえて、豊田市の都市交通に対する提言を行った。 ・With/Afterコロナ時代の豊田市の都市交通政策の方向性にかかる基礎的知見を提供した。 ・パネル調査データを活用した暮らしの時系列分析を実施することで、結果の因果関係(より確かな関係性)を捉えた。 豊田市社会福祉協議会、株式会社マクロミル 報告者:三村泰広 研究分野 業務類型 研究題目または 報告書タイトル コロナ禍が地方都市の都市交通に与える影響のモニタリング 研究の背景・内容 研究結果・ 得られた知見等 研究成果 社会への貢献, 報告,技術的特所内の担当者氏名・担当者 三村泰広、山崎基浩、穆蕊、高桑俊康 協力先名 問題点・課題・今後の研究予定・その他 2022年度 自主研究概要 1暮らしを支える交通,2.都市空間を創出する交通,3.交通の安全・安心 1.調査,2解析,3.政策検討,4.その他
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